R18恋愛官能小説 青山倉庫

69H

11. 膝枕(トッカータ)


 教材準備室の扉は半開きで、あたしが音もなく部屋の中に滑り込んで、後ろ手に扉を閉めるまで優くんはあたしに気づかない。鍵を閉める音で、ようやく模造紙の束から顔を上げる。
「あら、麗羅ちゃん。どうしたの?」
 あたしは優くんのソファに駆け寄って、模造紙を覗き込む。もう一学期も残り少ないけど、優くんは二学期の時間割を作っている。
「何してるの」とわざわざ聞く。
「時間割作ってるの。麗羅ちゃん、彩奈と一緒じゃないの」
「うん、通りすがり」
 あたしは一年生だから、三年生の優くんがいる四階には用がない。あたしは優くんの隣に腰掛ける。校庭を周回するバレー部がかけ声をあげる。あたしもアヤも部活には入っていない。
「優くん、去年は陸上部だったの?」
「うん、脚を怪我して辞めちゃったけど」
「階段から落ちたって聞いたよ」
「そう、骨折したの。歩くのに不自由はないけど、走ると痛いから」
 そう言って、優くんは制服のズボンの裾を捲って膝の傷痕を見せてくれる。あたしは指先で傷痕の膨らみに触れる。骨折して、しばらく金属の棒を入れていた。折れたときよりも、リハビリの方が大変だったよと優くんは言う。あたしは適当に相槌を打ちながら、優くんの太股に指を滑らせる。ちゃんと筋肉がついてて男の子だけど、色白で臑毛もない。あたしより美脚。からだを寄せる。優くんを見つめる。
「あたしにも同じところに傷があるよ、見る?」
 優くんは頷く。あたしはスカートの裾を捲る。太股の付け根、内股にあるひっかき傷を見せる。あたしは紺の縞々のショーツを履いている。もっと普通の下着を履いてくれば良かった。あたしは上靴を脱いで、左膝を立てる。傷痕に指を滑らせる。
「これ、あんまり目立たないけど」
「どうしたの?」
 優くんがあたしの太股を恐る恐る指先で触れる。
「あたし逆子だったの。お母さんのお腹の中からなかなか出てこなくて、お医者さんがひっかき棒みたいなのであたしを引っ張り出そうとした痕なんだって。今はもう目立たなくなったけど、最初は肉がめくれ上がってすごいことになってたんだって。怖いよね、ホラーだよね」
 あたしと優くんは見つめ合って笑う。優くんの指先がショーツに触れる。あたしは太股を滑る優くんの手を掴む。優くんは顔を寄せて、あたしの耳元で囁く。
「麗羅ちゃん、しってるの?」
「なにを?」
「ぼくと彩奈のこと…」
 廊下を歩く足音が聞こえて、あたしは両膝を立てて竦む。目を合わせずに頷く。優くんの指先が、ショーツの上からあたしの敏感な部分をなぞる。あたしは優くんを見上げて言う。
「今日、あたし…、んむ」
 優くんは唇を重ねる。柔らかい唇があたしの薄い唇を撫でるように覆い尽くす。頭が痺れてくらくらして、夢見心地だけど、あたしはだんだん苦しくなってくる。優くんが唇を離す。あたしは仰け反ったまま息を荒げる。
「はぁ、はぁ、あはは、息が続かない…」
「キスしてるときは鼻呼吸するんだよ」
「あ…そっか」
 優くんはもう一度唇を重ねる。薄く開いた唇に優くんの舌が滑り込む。お互いの舌どうしをくるくると絡める。優くんの唇はなんだか果物の味がして、暖かくて、柔らかくて、優しく包み込んでくれる。目を閉じたまま、ソファの肘掛けを枕にして横になる。優くんはあたしの頬や、瞼や、おでこにもキスをする。耳朶を唇で挟む。耳の裏を舌先がなぞる。あたしは鳥肌が立って笑い出す。
「それ、ちょっとイヤかも…」
「くすぐったい?」
「うん、あははっ、やだ…、あん、…あっ」
 優くんはあたしの首筋に舌を這わせて、あたしを抱きすくめて、あたしは自分でも聞いたことのない甘い声を漏らしてしまう。恥ずかしいのに、廊下まで聞こえそうなのに、ますます声が漏れる。優くんの指が制服のリボンを外す。テーブルの上で丸められた模造紙がぱたぱたと床に落ちる。優くんは再びあたしに唇を重ねて、舌を絡めながら、ブラウスのボタンを一つずつ外す。あたしの背中に腕を回して、片手でブラのホックを外す。
「すごい、簡単に外した」
「うん、簡単に外れたね」
「いつも練習してるの?」
「してないよ」
 そう言って優くんは笑う。優くんは笑うとアヤに面影が似ていて、あたしは安心してしまう。優くんの指先と舌が胸の上を滑っていく。ブラが外される。優くんの唇が乳首に吸い付いて、あたしは大きな声で喘いでしまう。自分の声が天井に反響して、恥ずかしくなるけど、頭がくらくらして、自分が漏らす甘い声に陶酔する。優くんはあたしの腰を片手で抱え上げて、スカートをするりと脱がせる。
「寒くない?」と優くんが聞く。
「ううん、大丈夫」
「麗羅ちゃん、熱があるみたいに、すごく熱いよ」
「うん、なんか、火照ってるの…」

 優くんの指先がショーツの上からあたしのアソコを撫でる。乳首も同時に刺激する。あたしは優くんの頭を抱いたまま痙攣して、天井を見上げて、自分がだんだん溶けていくような感覚に溺れる。アソコが濡れて冷たい。あたしは背もたれの方に頭を向けて、声を堪えるけど、もう意識しなくても自然に喘いでしまう。
 優くんがあたしのショーツを下ろす。靴下も脱がす。優くんはあたしの両脚を立てて、内股に舌を這わせる。指先が敏感な部分を包み込んで、ぐちゃぐちゃにすりつぶす。あたしは今にも悲鳴が漏れそうで、声を堪えるために自分の指を噛む。優くんの頭があたしの太股に挟まれて、柔らかい舌があたしの粘膜を滑る。優くんの両手があたしの乳房を撫でる。あたしは腰を天井に向けて、背中を優くんの膝に支えられて、めちゃくちゃ恥ずかしい格好で愛撫されていて、敏感な部分を三カ所も同時に責められて、あたしのアソコを舐める優くんと目を合わせたまますごく可哀想な声であんあん鳴くけど、優くんはますます激しくあたしを刺激して、わざと恥ずかしい音を立てて、あたしが両脚を痙攣させてソファから滑り落ちそうになるまで辞めてくれない。
「はぁはぁ、優くん、恥ずかしいよ…」
「カーテン閉める?」
「うん、閉める…」
 優くんは膝を突いたまま、教材準備室の分厚いカーテンを曳く。あたしは全裸なのに、優くんは制服を着ていて、不公平。あたしは優くんのベルトを外す。展望台での出来事を思い出しながら、あたしは優くんの制服のズボンを下ろす。優くんの白いボクサーパンツから、おちんちんがはみ出す。パンツを下ろす。おちんちんを掴んで、ゆっくりしごく。おちんちんの先端から、透明な体液が、つーっと糸を引く。
 優くんは自分で制服を脱ぐ。作業台の上に脱ぎ捨てる。あたしに覆い被さって、唇を重ねる。おちんちんの先端が、あたしの濡れた粘膜にめり込む。優くんはあたしの耳元で、力抜いて、楽にして、と優しく囁いてくれるけど、あたしは急に怖くなって、肩を竦めて、優くんがあたしの粘膜を押し上げると、あたしは慌ててソファの肘掛けに逃げてしまう。転びそうになるのを優くんが抱き留める。
「震えてるよ。怖い?」
「うん…」
「今日はやめとく?」
 あたしは無言で頷く。優くんはあたしを抱いたまま、ソファに座り直す。あたしの額にキスをする。からだ中から力が抜けて、優くんの胸に耳を当てて、心臓の鼓動を聞く。優くんは落ち着いてるように見えるけど、あたしよりずっとドキドキしている。
 おとこのひとは途中でやめてくれないよ。
 同じクラスの未來ちゃんがそんな話をしていたことを思い出す。未來ちゃんは初エッチが早かったから、そういうことをいろいろ知っている。あたしは優くんが可哀想な気がして、ごめんなさい、と囁く。優くんはあたしの頭を撫でてくれる。髪を撫でてくれる。あたしは優くんの硬くなったままのおちんちんを片手でしごく。丸い先っぽに口を近づける。そっと舐めてみる。少ししょっぱい。舌の先端をおちんちんの裏側に滑らせる。そのまま優くんの膝の上に頭を載せて、おちんちんの裏側を舐める。先端を片手でしごく。優くんは背が高い方ではなかったけど、おちんちんはとても大きくて、だけどあたしと同じで、まだ毛が生えていない。色白の優くんは、おちんちんも色白。先端だけが肉色に赤く色づいて、透明な体液に覆われて輝く。
「すっごい見てる。珍しいの?」と優くんが微笑む。
「うん、男の人の、初めてだもん。不思議なカタチだね」
 あたしは優くんのおちんちんを横着な格好で愛撫する。だんだん眠くなる。下校時間のチャイムがなっても、あたしは優くんの膝の上がなぜか心地よくて、うつらうつら、ゆめうつつで、とりとめのない会話を交わす。途中で怖じ気づいたのに、くたびれ果てて、だけどどこかで満足していて、あたしは知らない間に寝息を立てる。
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