R18恋愛官能小説 青山倉庫

ガマガエルと鶴の群れ

第9話「マズイ写真」

 ゴールデンウィーク初日。
 山岳撮影の時に素泊まり一万弱で借りたロッジの二階で、紫蘭高校写真部のルリと六回目のセックスを始めたとき、七回目を終えたばかりのナミは髪についた精液を指先で拭いながら、天井を見上げて惚けていた。
「あーっ、あっ、あっ、いっ、あっ、るっ、いっ、すご…、かったぁ…い、硬い…」
 ルリは窓枠を掴んで喘ぎ声を外にまき散らし、ぼくは後ろからルリの小さなお尻を掴んで、やや激しくピストンする。さっき中出しした精液がぶりぶり噴き出して足元に拡がり、つま先だったルリがときどき滑る。
 ぼくは黒欄亭で知り合った紫蘭高校写真部の女子二人と、新学期明けてからすぐに会って、レンタルスタジオで二人を撮影したのですが、いつものノリでお互いのヌード撮影をして、ちっとも苦労しないで二人の処女を奪ったのです。それから放課後の二人とちょくちょく会っては、繰り返しセックスに誘いました。
 ボブカットのルリは上品な顔立ちのお嬢様、髪の長いナミはタヌキ顔の童顔で、全然違うタイプなのですが、最初のヌード撮影のときに二人がビアンだと知らされました。いまではバイですが。
「ねえ、瑠偉は避妊しないの?」とナミが聞く。
「したことないよ」
「子供できちゃうよ」
「できないよ、できたことないもん」
 ぼくは嘘をつく。
 ぼくは小学生の頃から一度も避妊なんてしたことがないけど、妊娠させにくいのは事実。あれだけ大勢の子とセックスしてきたのに、中二のときと高一のときに、年下の子を妊娠させただけです。中二のときの子は堕ろしたから実感がなかったけれど、高一のときの子は私生児として女の子を産みました。向こうの親には三度殴られて奥歯を折り、娘に二度と会うなと怒鳴られた。だからぼくは自分の娘と会ったことがない。ぼくの娘を産んだ子とも連絡がつかない。あんなに怖ろしい想いをしたのに、ぼくはそれからも避妊しないでセックスしています。ぼくが把握してるだけでその二人だけど、もしかすると、もっとたくさんの子を孕ませてるかもしれません。ナンパして一夜限りの名前も覚えていない中高生なんて、セックスした人数にカウントすらしていないのですから。
「い…く、イク、瑠偉、あーっ、まって、まって、まって、やっ」
 ルリの太股がぶるぶる震えてちゃんと立てない。ぼくは律動を止めて、ルリを背中から抱いて、高校生の柔らかい乳房を両手で包み込む。ルリは珍しく絶頂がわかりやすい子です。おちんちんの先端に子宮頸の脈動が伝わって、子宮そのものが精液をちゅううっと吸い込むように動作するのを感じ、女体の神秘に打ち震える午後三時。ぼくたち三人は写真部の合宿を名目に集まっているから、今夜はここに一泊します。
「はぁ、はぁ、もうダメ…、瑠偉くん、強すぎっ、あっ、あっあっあっあっひっ」
「ルリはエロエロだね」
「瑠偉が…きもち…いっいっ、かっ、らっ、ふーっ」
 ルリはもう演技する余裕もなくて、喘ぎ声が全部濁音。あ、に濁点がついたままボブカットの髪を振り乱して、甘い匂いを振りまいて、股間がちゃぷちゃぷ濡れた音を響かせる。
「そういえば瑠偉くん、姫百合のブログだけど」とナミ。
「うん」
「あたしたちのヌードとか載るの?」
「載せないよヌードは」
「普通の写真は?」
「ぼくはポートレートは、許可がないと載せないよ」
「そうなんだ…」
「どうして?」
「瑠偉くん、智蘭のかおりさんって彼女じゃないの?」
「えー、なんで?」
「ページみてると、結構瑠偉くんの写真載ってる気がして」
「一緒に撮影行ってるからね」
「他の人は、瑠偉くん載せてないよ。集合写真くらいかな」
「そうだっけ?」
「沖田って人、このひとは斉藤さんって人を撮ってる」
「めずらしい」
「撮影禁止場所で撮ってるの?」
「え? いや、そ…、うっ、イク…、いっちゃう、ふうぅっ」
 ナミの口に出したのを含めて十四回目の射精なのに、びゅくびゅくとたくさん精液が噴き出す。もう一度ルリを背中から抱いて、乳房を揉みながら、頬にキスをして、差し出した舌先で触れあう。おちんちんを引き抜くと、ばしゃっと精液が床に落ちる。ルリがつま先だって、わ、わ、ヤバイ、スゴイ、と呟く。ぼくはルリを跪かせ、びしょびしょのおちんちんを咥えさせる。吐き出す。
「うぼえっ、えほっ、ごほっ、まっず…、あたしマン汁は無理かも…」
「ナミちゃんのまんまん舐めたりしないの?」
「指ではするけど、あんまり舐めたりしないよね」
 ルリが同意を求め、ナミが照れてベッドの上で身を捩る。
「じゃあ、シャワー浴びよう」
 そう言ってぼくはルリの手を取る。千鳥足の少女に肩を貸す。ナミも起き上がって、あたしも浴びると言う。階段を下りて、広い浴室に入る。シャワーを出す。温度を調節して、ルリとナミにシャワーをかける。ナミが、頭からかけて、と要求する。フェラチオの時に口と顔に出して、髪の毛が精液で濡れてしまった。ヘアジェルをつけたみたいに前髪がかたまっています。
 シャワーヘッドを壁に掛けて、身体を洗う。勃起したままのおちんちんも洗う。何回もセックスするときは、何回もシャワーを浴びる。狭いシャワーの範囲にお互いひしめき合い、ぼくは二人の股間に指を滑らせる。二人はぼくの勃起したままのおちんちんをちゅるちゅるしごく。シャワーを止めて、さっき使ったバスタオルで身体を拭く。ナミは髪の毛も拭く。ドライヤーで乾かす。女の子のドライヤータイムはとても長いから、ぼくは洗面台の鏡を前にして、ルリにフェラチオさせる。立たせる。鏡の前に立たせる。また後ろから挿入する。入れる瞬間、ルリの繊細な表情が溶けるように緩んでおんなになる。突く。ルリは卑猥な表情で前後に揺れる自分の姿に益々興奮して、もっと、もっと、と要求する。鏡に対して横向きになる。おちんちんがお尻に突き立てられて、ちゅるちゅる出入りするところをみせる。
「みえる? つながってるとこ、みえる?」
 ぼくはドライヤーの音にまけない声で聞く。
「うん、みえる、えろい、ああ、えろいよ、瑠偉のちんちん、なっがーい」
 ルリもまけないくらい大きな声でこたえる。ナミがドライヤーを切る。
「瑠偉くん、ところ構わずだね」
 ぼくはルリからおちんちんを引き抜いて、ナミの両手を洗面台に突かせる。お尻を突き出させて、にゅるるるっと後ろから挿入する。子宮がおりっぱなしで、先っぽにこりこりあたる。二人とも陰毛を処理していて、恥骨のうえにタテ筋に沿って申し訳程度に短い毛が残る。そんなんなら全部剃ってしまえばいいのに。
「瑠偉くん、あたしも、あたしも、ちんぽちょーらい」
 ルリが呂律のまわらない舌で求める。ぼくはルリに後ろを向かせて、おちんちんを挿し替える。ピストンする。再び引き抜いて、ナミに入れてピストンする。交互に突く。吸い込まれるようなナミの膣と、圧迫するようなルリの膣は、どちらもきもちいいけれど、どちらも全く違う感触で、交互に抜き挿ししているとまったく飽きない。

 陽も落ちて、夕食に持ち寄った冷凍食品を温めて食べる。
 ぼくたちはひっきりなしにセックスに耽り、セックスの合間に食事やお手洗いを済ませるから、裸のまま食事を摂ります。初めて愛し合ってからまだ一ヶ月足らず、まだまだ楽しい季節。
「さっきの、撮影禁止場所って、なに?」
 ぼくはナミの話を思い出して聞く。
「あー、なんだっけ? ブログの写真」
「うん」
「斉藤さんってかっこいい人が、鉄塔に登って写真撮ってるの」
「え!」
「マズイ…よね」
「え! え! ちょっと、見ていい?」
 ぼくはロッジまで持って来たノートパソコンを開く。このロッジはLAN回線が通じています。姫百合智蘭公式、特集記事ではなく、沖田の個人ページの最新を開く。斉藤さんが鉄塔に登って、山間の寒村を撮影している場面が掲載されている。撮影禁止場所ではなく、立ち入り禁止場所です。ここで撮った覚えがある。
 すぐにチャットにログインするけど、誰もいない。ぼくは沖田に直接メールする。斉藤さんにもメールする。ちょっとチャットに入れたらお願いします。

 『斉藤』がログインしました。
 斉藤:おつかれ
 斉藤:どした?
 瑠偉:斉藤さん
 瑠偉:沖田のページみました?
 斉藤:いや、まだみてない
 瑠偉:斉藤さんが鉄塔に登って撮影してるところが
 瑠偉:アップされちゃってます
 斉藤:鉄塔?
 斉藤:あー
 斉藤:うん、別にいいんじゃない?
 瑠偉:いやマズイですよ
 瑠偉:ぼくも鉄塔内からわたらせの景色撮ってるんで
 瑠偉:これ突っ込まれると炎上しますよ
 瑠偉:こないだ鉄格子切った馬鹿が
 瑠偉:つるし上げ喰らってたばかりじゃないですか
 斉藤:やっぱまずいか
 斉藤:沖田は?
 瑠偉:いまメールしたんですが
 『沖田』がログインしました。
 沖田:ばんわ
 沖田:何かありました?
 瑠偉:沖田くん、個人ページの最新
 瑠偉:斉藤さんの写真、マズイよ
 沖田:ん?
 沖田:あー
 沖田:これか
 瑠偉:まだ見てる人いないみたいだから
 瑠偉:差し替えた方がいいです
 沖田:じゃあ、明日
 瑠偉:今すぐじゃないと意味ないんですが
 沖田:了解
 沖田:差し替える
 斉藤:今日、瑠偉くんは撮影旅行?
 瑠偉:あ、そうです
 瑠偉:山でポートレート撮影
 斉藤:山で?
 斉藤:泊まり?
 瑠偉:一泊してます
 沖田:差し替えた

 ぼくはすぐにページをリロードする。鉄塔に登った斉藤さんの写真が、鉄塔敷地内で跪くぼくの写真に差し変わっている。わかってない、全然わかってない。

 瑠偉:違うよ
 沖田:?
 瑠偉:鉄塔で撮影してるの
 瑠偉:Webで表明しちゃマズイでしょ
 沖田:あーなるほど
 瑠偉:もう一回差し替えてください
 沖田:らじゃ
 沖田:変えた

 もう一度リロードする。無難な猫の写真。沖田が撮る猫はいつも警戒心を剥き出しにしている。猫を飼ったことのない人が撮る特徴的な猫の写真。もう何も言う気が起きない。
 ぼくは沖田と斉藤さんに、お手数かけましたと言ってログアウトする。ぼくは食事に戻る。ルリはぼくのおちんちんを咥えて、漫然と愛撫する。ナミはノートパソコンを受け取って、記事を読む。
「あたし、結構このサイト見てるけど」とナミ。
「うん」
「瑠偉くんと斉藤さんが写真は巧いよね」
「そう?」
「でさ、みんな撮りに行ったところとか、撮影旅行の感想とかまとめてあるのに、このひと、沖田ってひとだけは、なんかハウツーが多いっていうか…」
「そうだね、そういうのが好きみたい」
「なんか読んでてむかつく」
「どういうところ?」
「うーん、なんか上から目線っていうか。こことかそう『基本的に近い被写体は開放で撮影する。私は迷ったときはF2.2で撮影する』とか、全然ノウハウじゃないし」
「そんなこと書いてるの? 2.2ってぼくが嘘教えたんだよ、ほんとは2とか2.8だけど」
「やっぱりー。絶対受け売りでしか文章書けないひとだよね。写真も少ないし、一枚とかのページもあるよ。なんか読めば読むほど酷い」
 どうせこんなハウツーを書くと思って、ぼくは嘘を教えた。オールドレンズに2.2という絞り値は無いんだからそれをセオリーにしてはならない。自分で考えることができない人は、そんな罠にも簡単にひっかかる。
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