R18恋愛官能小説 青山倉庫

ガマガエルと鶴の群れ

第5話「基礎技術」


 蟷螂湖の畔にあるバンガリーというラブホテルは、野外に部屋を選ぶパネルがあって、精算を室内の自販機みたいな機械で行うから、中学生二人を連れ込んでも誰とも会わずに済みます。
 ぼくは展示会の日に写真を撮った三味線部の子三人のうち、三つ編みで眼鏡をかけた童顔のカスミと、セミロングのさらさら黒髪に色白の肌が映えるハナの二人を誘って、ちょくちょく遊んでいたのですが、内装の派手なラブホの話題に興味を持った二人にヌード撮影を持ちかけたのです。午前中から昼のフリータイムで入って、まだ二時半をまわったところだけど、撮影だけでなくセックスも一段落して、ぼくはシャワーを浴びているところ。
 二人とも処女だったから、ちょっと手間取ったけれど、カスミはベッドで、ハナはソファの上で挿入して、一回ずつ膣内に射精したのですが、いつも十回以上しているぼくにはもの足りません。
 シャワーを止めて、ドアをあけてタオルを取る。身体を拭く。タオルを籠に投げ込んで、部屋に戻ると、最初に処女を奪ったカスミはまだベッドの上で仰向けのまま放心していますが、ハナはベッドに俯せに寝転んだまま、モスバーガーを食べています。
「ぼくもお腹すいた。ハナちゃん、全部食べないで」
「ちゃんと三人分あるよ」
「カスミちゃんはダウンかな?」
「瑠偉くん下になって、ずっとカスミに運動させてるから」
「だってカスミがしたいって言ったんだよ」
 ぼくはベッド脇のソファに座って、紙袋を開く。少し冷めたモスチーズとポテト、暖かいコーヒー。ぼくたちはまだ全裸のまま。二人とも一年生だけど、大人っぽいハナは胸が比較的大きくて、下の毛もちゃんと生えてる。カスミはちょっと幼くて、ちっぱいで股間もすべすべで、また初潮も来てないと言っていました。生理がきてなくてもセックスはできます。
「ねえ、剃ってるの?」
 ハナが手を伸ばしてぼくのおちんちんに指を絡める。ぼくの股間には陰毛が生えていない。脇毛も生えていないし、髭も剃らない、中学生のころから見た目がほとんど変わっていない。
「剃ってないよ、生えてないもん」
「いいなぁ、あたし毛深いから」
「そうでもないよ」
「あたし剃っちゃおうかな?」
「えーどうして。水着とか食い込んじゃうよ」
「なんかカスミとつながってるのみてたら、きもちよさそうだったもん」
「あっ、せっかく初エッチなのに、写真撮るの忘れたね」
「あははっ、いいよー撮らなくて」
 ぼくは自分の鞄を引き寄せて、カメラを取り出す。ハナに向ける。ハナは両手で頭を覆って、だめーと言う。
「そういえば、ウチらの写真まだみせて貰ってないよ」
「そうだったね、いま見る?」
「見られるの?」
 ぼくはカメラをテーブルに置いて、鞄からノートパソコンを取り出す。ブラウザを開いて、智蘭の公式サイトを表示する。展示会の記事を探す。あった。スクロールすると、下の方に紫蘭中学三味線部と題した写真が並ぶ。
「みせてみせて」
 ハナにノートパソコンを渡す。二本指スクロールを教える。掲載してるのは六枚で、どれもモノクロ写真。
「白黒だね」
「ぼくはモノクロしか撮らないよ」
「カラーで撮らないの?」
「撮れるけど、カラーがいいの?」
「うーん、でもこういうのも捨てがたい」
 自動起動で勝手にログインしたチャットアプリのアイコンがドック上で跳ねる。ハナが指さして、なんかぴょんぴょんしてるよ、と言う。パソコンを肘掛けに置いて、チャットを開く。ハナがぼくに寄りかかって、頬にキスする。乳首を舐める。片手でおちんちんをマッサージする。

 斉藤:おつかれ
 瑠偉:おつかれさまです
 みったん:お疲れ様
 カオリン:瑠偉くん来た
 沖田:乙
 沖田:てか俺絞り戻すの忘れてた
 沖田:失敗したわー
 斉藤:いや遠景は絞っていいけど
 斉藤:近景はこれ、開くのか絞るのか
 斉藤:もうすこしハッキリしたほうがいいな
 みったん:俺切れてるww
 瑠偉:なんの話題ですか?
 瑠偉:なにか悪巧みですか
 カオリン:沖田くんが特集記事あげてくれたの
 沖田:でも夕焼けの色は
 沖田:思い通りに出たかと
 斉藤:ホワイトバランス弄ったろ
 沖田:イエロー側にやや振ってます
 斉藤:全部その設定になってる
 沖田:マジか!

 ぼくはデスクトップを追加する。二つ目のデスクトップにブラウザを移動する。そこで沖田の記事を開く。ハナがベッドに寝転んだまま身を乗り出して、ソファに座ったぼくにフェラチオをしてくれる。ほんの二時間前に覚えたばかりの愛撫が流れるように自然で心地良い。先っぽをぎゅっと吸い込んで、ちゅぼっちゅぼっと音を響かせる。カスミが起き上がってぼくらをみる。
「あー、食べてる」
「うん、きもちいい…。カスミも食べる?」とぼく。
「そっち? あたしお腹すいたから、ちんちんじゃない方がいい」
「カスミちゃんも食べなよ、レンジで暖めて」
「先にシャワー浴びていい?」
「いいよ、浴びておいで」
「うん、いま精液がドロってなった」
 カスミがベッドから降りて、全裸の間々シャワー室に駆け込む。ぼくは甘い声を漏らして、きもちいいよ、と囁きながら、ハナの髪を撫でる。三味線女子三人目の子はミヤという子で、この二人とはそれほど仲良しではないそうです。カスミとハナは可愛いけど、ミヤは凡庸だから誘わなかったのかもしれません。でも女の子のことはよくわからない。
 再びブラウザに目を落とす。先日訪れた神社の写真。中途半端に人が写っている。
 サークル活動を始めてから九ヶ月弱だけど、沖田は全然写真が上達しません。被写体が全部日の丸構図で、どこでも絞りっぱなしで撮っていて、しばしばブレた写真や水平がズレたものまで公開する。あまつさえホワイトバランスを弄っているようです。デジカメのホワイトバランスは、デジタル画像について理解のないまま触ってはいけません。これを弄ってしまうと、嘘の色合いと色温度によって、間違った画を出力してしまう。それはプロが計算したデジタル現像の技術ではなく、偽色効果に過ぎません。
「ねえ、もう一回できる?」
 ハナが聞く。ぼくはハナを抱き寄せて、しよっか、という。
「サークルのチャット?」
「うん、いま反省会みたい」
「じゃあ、それ終わってから……」
「終わるまで、つながっててくれる?」
「大丈夫? あたし、重いよ」
「へいきへいき」
 ハナにぼくを跨がせる。つい一時間前に処女喪失した膣に、硬く反り返った陰茎を静かに滑り込ませる。カスミがシャワーから戻ってくる。またヤってる、と言う。向かいのソファに座る。紙袋をがさごそ漁る。

 斉藤:そろそろ日の丸やめような
 沖田:あー、そうすね
 瑠偉:いまみました
 瑠偉:枚数ちょっと少ない?
 沖田:結構厳選したからね
 沖田:前回より鮮やかさに気を遣ってみた
 瑠偉:すごいいっぱい撮ってたのに
 瑠偉:もったいない
 みったん:当日モヤってたけど
 沖田:ダイニチ純正の現像ソフトだから
 沖田:だいぶ使いにくい
 斉藤:純正?
 斉藤:キャプ?
 沖田:イメビューです
 斉藤:それはビューワーじゃんw
 沖田:基本的な現像はできますよww
 斉藤:ビューワーでの現像に慣れたらだめだよ
 斉藤:部室もらえたら
 斉藤:現像用のパソコンとか共有できるんだけどな
 みったん:部室って何人以上で貰えるんだっけ?
 斉藤:最低10人
 斉藤:その後、経理課の御前会議で選別されて
 斉藤:承認されれば予算がついて部屋貰える
 沖田:コンテストあたりに出展するか
 沖田:賞貰えると確率あがりますね
 瑠偉:コンテスト大変だよ
 沖田:いや、学生部門ならいけるんじゃね?
 瑠偉:基礎技術だけでも大変なのに
 沖田:そんなの無視すりゃいいじゃん
 沖田:重要なのはセンスだよ
 瑠偉:センス?w
 沖田:瑠偉くんはセオリー派で
 沖田:ヒット量産するけどさ
 沖田:俺は結構センス派だから
 沖田:ホームラン狙えるんだよね
 みったん:センズリ派?
 沖田:www

 ハナが身体を前後に艶めかしく揺らしながら、ぼくが打ち込んでいるチャットの画面を覗き込む。
「瑠偉は、エッチしながらチャットできるんだね」
「きもちよくて、打ち間違えそう…」
「あたしもきもちいい、ああ…、カタイ」
 ぼくはハナの腰を掴んで、リズミカルに突き上げる。一握り分を余してハナの肉に突き立てた陰茎がちゅるちゅる出入りするのを眺め、カスミがその向こうでハンバーガーを頬張る。ハナは、硬い、硬い、と呟いて、両手でぼくの乳首を刺激する。
 女の子は初めてぼくとセックスするときは大きいと言い、二度目三度目になると硬いと言い、五度目六度目になると絶倫と言い、十回目を超えると精液が多いことに気づきます。中学生の時はおちんちんが大きいことがコンプレックスになったこともあったけれど、最近はネットで精液過多について調べたり、セックス依存症を気にすることが増えました。巨根は気にならなくなったばかりか、スキニーパンツの膨らみに女子の眼差しを注がれるのは癖になる。
「ハナちゃん痛くない?」
「うん、アタシは平気。瑠偉のはこんな太いのにね」
「最初だけだったね」
「あたしもそんなでもなかったよ」とカスミが言う。
「もっとできる?」とぼく。
「したい?」
「うん、しよう、いっぱいしよう」
 そう言うと、カスミは食べかけのハンバーガーを袋の上に置いて、ぼくの傍らに座り直す。ぼくはノートパソコンを閉じて、カスミとキスをする。ポテトの味がする。その間もハナを突くことを忘れない。
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