R18恋愛官能小説 青山倉庫

太陽ノ樹

第29話「ライブ性教育」

 週明け、緊急の全校朝礼。
 壇上に上がった柏木律子先生が、悲痛な声で語ります。
「みなさんに悲しいお知らせがあります。先週末、渡辺一也校長先生が、事故のために、市内の病院で亡くなられました」
 生徒たちの白々しいどよめきは、すぐに静まる。先生たちは、一様に下を向いている。生徒たちは、柏木先生の言葉を黙って聞いている。
 渡辺校長が亡くなったことで、金魚鉢中学は、事実上学校長不在となる。上里学園に移った前任の海藤先生が引き継ぐことになるが、上里は県外の高校で、海藤先生がふたたび中学を訪れることはない。書面上の校長先生となり、学園の運営は、以前から定められていた規則に則り、各担任教師たちによって執り行われる。そんな説明。
「それから、先週発表された適性試験の結果についてですが、保護者の方からの強い要望もあり、職員会議で試験の結果を破棄することに決まりました。みなさんはクラスを変わったり、補講を受ける必要はありません」
 渡辺先生の訃報以上に講堂がざわめき、嗤っている子や、手を叩く子もいる。渡辺先生が死んでも、この学校に渦巻く狂気は変わらない。なにかが良くなる、そう期待して裏切られるのが日常です。けれど、すくなくとも、ここ数ヶ月のあいだに淀んだ学内の雰囲気が払拭される期待はできます。
 柏木先生の話だけで朝礼は終わり、みんな粛々と教室に戻る。
 席について、鞄から教科書を出しているとき、遥香と美紀子が駆け寄ってくる。
「夏目くん、ね、動画みた?」と遥香。
「なんの?」
「渡辺が死ぬとこ」
 怖ろしい台詞をさらりと吐く。これがおんなです。
「みてない、そんなのあるの?」
「なんかね、杏ちゃんっぽい子が映ってるの。杏樹、出歩いたりしてないよね?」
「してないよ、病院だもん」
 美紀子がスマホを取り出して、動画を再生します。
 喧噪の駅ホーム。
『さっきから、ずっと触ってましたコノヒト』
『違いますよ、触っていません。さわってねーよ、ちょっと、降ります。どけよ!』
 しっている光景。この時点から、誰かが動画を撮っていたことに戦慄を覚える。カメラは車内から、渡辺の後ろ姿を狙う。ぼくは映っていない。大人たちが渡辺を取り押さえる。カメラが渡辺の姿を捉え、走ってくる駅員の姿を捉え、画面の右端に、金魚鉢中学の制服を着た女子が立っている。その横顔と髪型は、お姉ちゃんに一致する。美紀子が動画を一時停止。
「これ! 杏ちゃんだよ、絶対。ウチの学校で、こんな髪の女子、いないもん」
「うーん、お姉ちゃんにみえなくもないけど、制服ってここの学校のかなぁ?」
「だってスカート短いじゃん」
「お姉ちゃん、病院にほとんど軟禁されてるし、外には出られないよ」
「そっかぁ」
 動画が再生される。駆けつけた駅員が、どうしました、と声をかける。そして、次の瞬間、信じられないことが起こります。
「痴漢されました、コノヒトに」
 さっきの少女が渡辺を指さします。お姉ちゃんに似た少女。この言葉は、亜梨子が言ったはず。なのに、手ぶれの激しい動画には、どこにも亜梨子は映っていません。ぼくも、映らない位置にいる。渡辺は、してねーよ、と怒声をあげる。すべて、見覚えのある光景なのに、人物がすり替わっている。ぼくの記憶が間違っているのか、動画がフェイクなのか、わけがわからない。渡辺が立ち上がり、駅員を突き飛ばして走り出す。動画が後ろ姿を追いかける。逃げた渡辺を追いかける駅員と男性客に阻まれて、その先のおぞましい展開が映っていない。代わりに、下り電車の急ブレーキと警笛、下りホームの叫び声が記録されている。
「痴漢だったんだねー」
 ぼくはそうしらを切る。いつの間にか芙実が覗き込む。
「そうそう、あたしもそれみた。渡辺痴漢がバレて、逃げようとして下りホームで撥ねられたらしいよ。下半身は車輪に巻きついてぐちゃぐちゃになって、上半身はホームに転がってたって」
「うえー、超悲惨。みちゃった人が可哀想」と遥香。
「痴漢するからだよね。しかもウチの学校の生徒だよ、バッカだよねー」
「渡辺なら痴漢してそう。あの人女子と会話するときニヤニヤして超キモかったもん」
「誰も悲しんでなかったよね朝礼。先生たちも誰も泣いてないし。演技してるの柏木先生だけじゃん」
「当然だとおもう、だって少し頭おかしかったでしょ。適性試験だけじゃなくてさ、生徒のディスカッションとか、道徳教育の必修化とかやろうとしててさ、朝礼の時もへんなこと言ってたよね。みなさんはぁ、金魚の生徒である以前に、金魚のファンであることぉ、おぉー、それをぉ、中等部生徒の矜恃としてぇ、みたいな、オエー」
 遥香は渡辺先生の口まねをする。教室の方々で、おなじようなうわさ話がきこえる。芙実は自分の席を遥香に奪われて、図々しくぼくの膝に座って、三人でお喋りする。ぼくが芙実の腰に腕を回して抱くと、芙実は後ろ手にぼくの股間に触れる。以前は眼をみて会話することさえできなかったのに、いちどセックスすると、女の子はこれだけ態度が変わる。ぼくは芙実の短いスカートに手を滑り込ませて、ショーツの上から割れ目をなぞる。芙実はぼくの手首を掴んで、呆れた眼でぼくを見下ろす。
「もぉっ、朝からお盛んなんだから」
「芙実が触るから勃起しちゃったじゃん」
「したいの?」
「したくなった…、どうしてくれんの?」
「アハハ、しらなーい」
 教室に大熊先生が入ってくる。みんな慌てて席に着く。授業中は、みんな普段通りに戻ります。遅刻した山本くんが、教室の後ろから忍び込み、大熊先生に呼び止められる。山本くんは教壇に駆け寄って、先生になにか言う。先生は頷いて、山本くんは自分の席へ。いつもの光景に戻る。

 お昼休み明けの授業は、性教育が予定されていて、ぼくは事前に美桜からエッチなビデオを鑑賞すると聞いていたので期待していたのですが、藤井先生が教室にはいるなり、ぼくと眼をあわせます。厭な予感がする。
 起立、礼、着席。
「今日は、みんなお待ちかねのー、セックスのお話です。この中で、もうあたしセックスしましたーって子はいるかな? あー、何人か嘘ついてますねー、みんなしってるかもしれないけど、金魚鉢の子はね、みんな可愛いけど、恋愛は禁止なんです。だけど、性の悦びを識ることが、モデルやお芝居なんかの人前に出るお仕事にはとても大切なこと。だからこそ、今日の授業はとても重要なんです。じゃあ、窓際の子、カーテンしめてくれる?」
 窓際の子たちがカーテンを閉める。先生が胸に下げた教員証をカードリーダにかざすと、黒板に『藤井梢 一年一組 体育教師』と表示される。先生は名前をタップして、アイコンが散らばり、ビデオのアイコンをタップして動画一覧が表示され、先生は『性教育』と書かれた動画を再生する。
 ああっ、あーっ、あっあっあっあんあん。
 教室が甘い喘ぎに充たされ、冒頭からセックスの映像が黒板いっぱいに広がり、長大な陰茎が無毛の割れ目ににゅるにゅる出入りするモザイクのない場面が映ると教室中が大騒ぎになり、徐々にカメラがひいていくと、ぼくはみるみる顔が紅潮し、体が熱くなる。美桜は、ぼくに似た少年と言っていたけど、この動画に映っているのは、ぼく自身だ。
 ベッドの上で仰向けの本条ジュヌビエーヴを汗だくで突きながら、大崎美保と大崎香奈の姉妹に乳首を愛撫させるぼくの姿が映ると、教室の嬌声が大きくなる。藤井先生が、しーずーかーにー、と諫める。教室が静まる。驚きはしても、今更大騒ぎすることでもありません。ぼくはプールの授業のたびに、モデルクラブ以外のクラスメートともセックスしています。夏休み前には、このクラスから処女がいなくなるペースで。
 場面が変わって、三人が同時にフェラチオする場面、こんどは顔に射精する場面、次に膣内に射精する場面、四つん這いの少女が絶頂して痙攣し、騎乗位の少女がきもちいいを連呼し、ぼくがおちんちんの根元を支えて重なり合った少女の膣に交互に抜き挿し、それらのセックスの蠢きが、四行六列、二十四場面に分割されて同時に流れ、ようやく『一年生性教育授業資料』とタイトルが浮かび上がる。解説が始まる。
「こんにちは、性教育の時間です。みなさんは、思春期の自然な情動と、第二次性徴における身体の変化について、これから学びましょう。映像をごらんください」
 全裸の佐藤エレンと全裸のぼくが映る。左上のワイプに乱交が流れ続ける。モデルクラブで撮影した動画が使われています。不思議なアングルで撮影することが何度かあったけれど、このためだったことに今気づく。
 思春期の心と体の成長について解説。ぼくは教材に自分のセックスや裸が使われていることよりも、自分の性器が映っていることよりも、胸の手術痕が恥ずかしい。幼く中性的な体つきの益田真理杏の身体が映り、九歳の未熟な肉体が佐藤エレンのように美しく成長していく過程で起こる様々な変化についての話。女子の話ばかりで、男子のことをほとんど説明しないばかりか、ぼくのような特殊な身体を基準に、男らしく変化する身体と称すれば、みんなの視線は長大な陰茎に集中してしまう。動画では、勃起前の下を向いた長大な陰茎が映り、徐々に勃起するところ、射精するところが切り替わり、性器について解説するばかり。お姉ちゃんがみたら、なんて言うだろう。
「性行為は、勃起した男性器を女性器に挿入し、映像のようにピストン運動によって快感を与え合います。ひとくちに『セックス』と表現しうる行為は、性器の結合によって行われることのみを指すのではなく、言葉や、眼差し、指先や、唇、舌、喉など、全身で相手の心と体を愛撫することを包括しています。セックスは、自分自身が一方的にきもちよくなる行為などではなく、相手に悦びを与え合うことで、愛し合い、分かち合い、理解を深めることのできる知的活動で、オナニーや動物の交尾とは異なるものです」
 気恥ずかしくなる説明を背景に、左上のワイプが拡大し、汗だくのぼくが三人にフェラチオされながら、沙耶と美貴に指を挿入し、真理杏の割れ目を舐めて孤軍奮闘する姿が流れる。
「男子は普通、数回の射精で精力を失ってしまいます。まだ経験の浅い中学生女子の身体には、あまり激しくなく、いたわりのあるスローセックスが適しています。では、スローセックスとはどのようなものでしょうか」
 想像以上に長い動画。セックスの説明からとても長い。スローセックスとか、前戯とか、体位とか、女子の身体の動かし方とか、踏み込んだ説明ばかりで、一対一の普通のセックスなんて皆無で、ぼくと大勢の少女たちのハーレムか、あるいはぼくが集団逆レイプを受けているような不憫な展開。
「夏目くん…」
 後ろの席の藤崎舞吏が話しかける。すぐ後ろなのに、ほとんど会話したことがない、とてもシャイな子。振り返る。落ち着いてきたぼく以上に顔が真っ赤で可愛らしい。
「あれ、夏目くんだよね?」
 動画を指さす。
「そうだよ…」
「夏目くんって、誰とでも、する…の?」
「誰とでもってわけじゃないけど…」
「プールのじかん、川野さんたちと、してるよね?」
「してるよ。もう、みんな識ってるから、隠さないけど」
「そっかぁ…いいなぁ」
 そう言って机に突っ伏す。照れ隠しです。
「マイリもしたい?」
「えっ、あ…、ウチ、川野さんと話したことなくて…」
「なんで桃華が関係あるの? なに…ビアンなの?」
「ちがうよー」
「じゃあ、だれとしたいの?」
「え…、それは、まぁ、夏目くんとが、いい…かなー」
 なんだかめんどくさい子です。こういう子は苛めたくなる。前をみると、集団フェラチオの場面が流れる。唖然としていた女子たちは慣れ始めて、近くの席の子とひそひそ話をする。
「ねぇ舞吏、あれやってみる?」と動画を指さす。
「どれ?」
「フェラチオ」
「えーっ」
「やだ?」
「う…、いいよ、しても」
「じゃあ、こっち座って」
 ぼくはお姉ちゃんの席を示す。
「いま、するの?」
「うん、いま」
「授業中だよ」
「だから、いいんじゃん」
 ぼくは舞吏の手を取って、お姉ちゃんの席に座り直させる。舞吏は一番後ろの席だし、お姉ちゃんの席は廊下の窓際で、ぼくの周囲は芙実と星來と美紀子のモデルクラブ陣でブロックしてもらえる。舞吏の手をとり、制服の上から勃起した陰茎に触らせる。握らせる。舞吏は、うわぁ、でかい…、と呟く。
「動画みてたでしょ、おなじようにしてみて」
 そう囁くと、舞吏はわりと素直にぼくのスラックスのホックを外し、ジッパーを下ろす。ぼくはパンツに指をひっかけておろし、舞吏はシャツからおちんちんを引きずり出す。舞吏はぼくを見上げる。ぼくは舞吏とキスをする。口を離して、舞吏はおちんちんを飲み込む。ぎこちなく頭が上下する。ぼくは制服のうえから舞吏の胸を揉む。隣の芙実が気づいて、じゅぎょーちゅーだよ、と囁く。
「舞吏が練習したいって」
「うそばっか」
 芙実は呆れる。動画は乱交の場面。ときどきぼくを振り返っていた女子たちが、舞吏のフェラチオに気づき始める。ぼくは真面目にビデオを観ているふりをする。つながってピストンしていた陰茎が引き抜かれ、別の割れ目に滑り込む。そうやって、大勢の子と次々に行為する特殊な状況すら、ただのセックスとして扱う性教育ビデオが授業で流れること自体が破廉恥な出来事ですから、授業中に処女のクラスメートにフェラチオしてもらうことなんて、授業中の私語に等しい軽い罪ですきっと。
 乱交の場面で、騎乗位の本条ジュネがアップになる。見覚えのある光景。
「本条ジュヌビエーヴさんは、金魚鉢小学校六年生、お父さんがフランス人のハーフの少女です。いま、子供服のモデルの仕事をこなしながら、学校に通い、将来は大きなショーの舞台に立つことを夢見る十一歳。金魚鉢のモデルクラブで、初めてのセックスを体験したのは一週間前です」
 ナレーションが流れ、ジュネの吐息が大きくなる。
『痛がる子も、いるんですけど…、あたしは、最初から、きもちよくて…。おっきい人は、痛いって、おもっていたのですが、あっ…ふぅっ』
 場面が途切れる。この直後にジュネはイったことを覚えている。
『慣れてる男の子と、ゆっくり、すれば、あたしだけじゃ、なくて…、はぁ、はぁ、くうっ、処女の子でも、きもちいいとおもいます…』
 ジュネの身体が持ち上がって、ぼくが射精している。しているときはきこえそうな射精の音は、ビデオでは全然きこえなくて、代わりに濡れた粘膜のにちゅにちゅと喘ぎ声。映像がフェードアウトして、画面に『実践編』と表示されます。
 まだ続くと思っていたビデオが突然一時停止される。教室の照明がついて明るくなり、護ってくれると勝手に思い込んでいた周囲のモデルクラブ陣が振り返って、授業中になにしてんのー、と騒ぎ立てる。大騒ぎになる。マジでしてるの? 夏目くんって見境ないよね、セックス依存症だよ、舞吏が無理矢理咥えてるの? ちょっと二人ともやめないんですけど、あのビデオの後にこれだもんねー。携帯やスマホで写真を撮る子もいる。プールの授業のときは静かにしてるくせに。
「はーい、しーずーかーにー。はいっ。これから、ね、性教育の実践編です。みんなもセックスしましょうって趣旨なんだけど、ほら、男女比が違うから、二人組つくってーって言えないでしょ。だから、みんなを代表して、性教育の教材になってくれた夏目くんと、勉強熱心な藤崎さん、あとは…セックスなんて飽き飽きしてる倉野麗奈さんに、みんなの前で実践してもらいましょう。じゃあ、真ん中の子、前から四列、机をくっつけてくれる?」
 中央の女子たちが立ち上がって、机をゴトゴト並べ初めて、うつぶせで寝ていた麗奈は目覚めたばかりで状況が把握できなくて、舞吏はますます愛撫に熱中していて、悪戯気分だったぼくは徐々に本気できもちよくなってくる。みんなみている。席が離れている山本くんもみている。先生や女子に観られるよりも、山本くんにみられる方が恥ずかしい。
「はい、三人ともこっち来て。脱いでください」
 麗奈は立ち上がって、ベッド代わりに並べられた机の脇で制服を脱ぐ。ぼくたちも遅れて立ち上がって、舞吏はようやく口を離して、教室の中央までぼくが手を取って歩かせる。制服を脱がせる。ぼくも脱ぐ。脱ぐことにあまり抵抗がなくなりました。裸なんて、プールの授業がある月水金のたびにみられているのですから、毎回もじもじしているわけにはいきません。恥ずかしいことには変わりないのですが、恥ずかしいことは大抵、享楽的な余韻を残します。そして、ぼくたちは靴下も脱いでしまいます。
「夏目くんは、下になってね」
 藤井先生が言う。ぼくは並べられた硬い机の上に仰向けになる。麗奈がぼくにお尻を向けて覆い被さり、舞吏はぼくの両脚の間にのぼって、膝をつき、ふたり同時におちんちんを舐めて、麗奈が飲み込んで七回頭をふり、次に舞吏が飲み込んで十一回頭を上下させ、ふたたび麗奈が飲み込んで扁桃腺で小刻みに刺激する。ぼくは麗奈の割れ目を指で拡げて、じわりと濡れる粘膜に舌を這わせ、じゅぴじゅぴ音を立てて啜る。ぼくと麗奈はクラブで楽しんでるからなにをするかしっているけれど、舞吏は見様見真似で、麗奈が手取り足取り指導する。
「夏目くん、こっちむいて」
 声をかけられて、横を向くと、女子たちがひしめきあって、ぼくたちに携帯やスマホを向けて、動画を撮っています。右を向いても左を向いても、女子ばかり。山本くんの姿はみえないけど、女子は一人残らずぼくたちの行為を記録します。一人か二人くらい、はみ出されて興味を示さない子がいてもおかしくないのですが、普段クラブで乱交している留美子や由香までがスマホを向けて、ディスプレイに目を奪われている。恥ずかしくて、顔がみるみる熱くなり、いっぱい汗をかくけれど、麗奈に乗られて、舞吏は陰嚢を掴んでもみくちゃにしながら、麗奈に言われて指先をお尻の穴に沈めていく。ぼくはなにもかも諦めて、麗奈の割れ目に舌を差し込み、中をぐるぐる掻き回す。この格好で女の子を愛撫するのは、仰向けの子を愛撫するより、首筋がずっと楽です。
「みんなちゃんとみてるー? セックスには決まり切った流れなんてないの。たとえば、キスして、囁き合って、少しずつ脱がされて、愛撫が徐々に降りてくるのに集中して、甘い声を出して自己陶酔して、男子の舌がアソコに辿り着いて、どんどん溶かされていくなんて、最初はいいけど、マンネリになりやすいプロセスなのね。だから、こうしなきゃいけない、とか、こうあるべきだ、という先入観は持たないでください。男の子は、女の子のそういう先入観に一生懸命あわせてくれるけれど、ほんとはすっごいめんどくさいって感じてる。セックスを、何時から何時までって、生活の中で区切って考えるのは損をしてます。身体の関係をもった時点からセックスは始まって、時と場所に関係なく、お互いが離ればなれであっても、ずっと続くの。ずっと。ご飯食べてるときも、電話してるときも、授業中も、遊びに行ってるときでも、休み時間も、寝ても覚めてもそれは長い長いセックスの一部で、いまこうして愛撫しあってる夏目くんたちだって、それを撮ってる南条さんだって、おなじようにセックスしてるんです。セックスは、与えあって、奪いあうこと。独占するものではありません」
 先生が説明している間に、麗奈は身体を起こして、ぼくに背を向けたまま、ぼくの股間をまたぐ。舞吏が根元を支えて、誰よりも近い位置で、みちみちみちっと陰茎が膣に滑り込む猥褻を目の当たりにする。麗奈はそのままぼくのうえで仰向けになり、ぼくは背中から麗奈の張った乳房を両手でつつみ、腰を浮かして軽いリズムで突き上げる。お互い両脚を開いて、結合がもっとも露出した体位だけど、舞吏が手持ち無沙汰。
「まいりん、ピストンの音聴いてみてよ」
 誰かが言う。麗奈はぼくの肩まで頭を反っているから、舞吏が首をかしげるのがみえる。麗奈のぽんぽんに耳をあてるの。そう言ったのは桃華。人垣から前に出てきて、麗奈のお腹に耳をあてる。やってみて。舞吏も耳をあてる。ぼくは腰の回転をあげる。
「どんな音がきこえる?」
「すごい、ぐちゅぐちゅ、ゆってる」
「まいりんも、ぐちゅぐちゅするんだから、麗奈におまんこ舐めてもらいなよー、ほらっ」
 桃華に促されて、舞吏はぼくと麗奈の頭を跨ぐ。舞吏は片膝をたてて、麗奈の顔に股間をおしつける。ぼくはセックスに必要最低限の可動域に制限されたまま、ひたすら麗奈の膣を往復します。ぼくたちの股間をみながら、藤井先生がなにか説明をしている。先生の指が上下する陰茎に触れる。握られて、引き抜かれ、誰かに咥えられて、舌と唇が陰茎を滑って、また別の誰かがおちんちんを飲み込んで、そうやって次々と六人の口の中で愛撫されて、ふたたび麗奈の膣に戻されて、ぼくは腰をガクガク上下させて、女子たちは楽しそうにわらっていて、こんなにシュールな状況なのに、みんなしあわせそうで、麗奈の膣が震えて、子宮頚が絶頂の痙攣を開始すると、早々にぼくも射精する。
 麗奈の肩越しに、麗奈の大きな乳房と、片膝をたてた舞吏の太股の隙間から、お腹に耳を当てて射精の音をきく学級委員の坂下陽子と目があって、クラスで一番真面目で清楚な雰囲気の陽子ちゃんの口から、超いっぱいでてる、という台詞をきき、僅かに残っていたはずの最後の羞恥さえ消し飛んで、射精がおちつかないうちに麗奈から引き抜き、ぴしゅっと一筋の精液を噴きあげて、その白いキラキラに瞳を潤ませた女子たちがスゴーイを連呼するのを聞きながら、ぼくたちは机の上で体勢を変え、仰向けの舞吏に麗奈が覆い被さり、ぼくは麗奈の膣で陰茎を濡らし、授業の終わりのチャイムが響くのも構わず、舞吏の処女をむりむりむりっと拡げ、女子たちはライブの処女喪失を好奇の視線で見守るのです。
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