R18恋愛官能小説 青山倉庫

太陽ノ樹

第19話「教師ト生徒ト姉ト弟」

 びゅううっ、びゅっく、びゅっく、びゅっく、ボタボタボタ。
 溢れた精液が保健室の硬い床に溢れ、派手な水音を響かせる。ゴールデンウィーク明けの五月八日金曜日、放課後、快晴。先月お姉ちゃんとしたのとおなじベッドで、おなじ体勢でぼくは海野先生とつながり、先生の処女を奪っておなじくらいの量を射精する。ゆっくりおちんちんを引き抜くとき、衝立の向こうで物音が響く。半分つながったまま、褄先立って衝立のむこうを覗き込むと、保健室から女子生徒が出て行くところを目撃する。おなじクラスの川野桃華の横顔。
「だれか、いた?」
 先生がきく。先生は最初から最後まで唇を噛んで、細い眉を歪ませ、声を殺していました。密やかな悦びさえ甘受できない性格かもしれません。ずっと身体を強張らせ、アソコはびしょびしょに濡れているのに、恥辱に耐えるようなその表情。
「だれもいませんよ、大丈夫です」
 もし観られたとしたら、一番よくない相手に観られてしまった。先生に心配をかけたくないから、ぼくは嘘をつく。半分抜けたおちんちんを、ふたたび奧まで沈める。腰を微妙に動かして、先端で先生の子宮頚を嘗めるように優しく撫で回す。そうやって、なんでもなかったことを強調するのです。ぼくは小学生のころから、他人に心配をかけまいと嘘をつきます。ぼくはすぐバレる嘘と、決してバレない嘘をつく。前者は、後者を補強する。それがバレたとき、泥を被るのはぼくだけで充分。
「莉音…、そろそろ、行かなきゃ」
「そうですね、ぼくは、もっとしたいけど…」
「ウフフ、それだけ元気があれば、大丈夫ね」
「そっか、しないと、いけないんですね」
「厭?」
「厭ではないです。お姉ちゃんが、すこし、怖くて」
「そうだよね、でも、杏樹はすこし、落ち着いてきたから、心配、しないで」
 先生が喋りにくそうだったから、ぼくはおちんちんを抜き取ります。ぼくは窓際からウェットティッシュを取って、先生のすべすべの股間を拭き取ります。結構、血が出ていて、シーツが汚れている。先生もティッシュを取って、ぼくのおちんちんを拭いてくれる。セックスの最中は対等だったのに、こうしてると、やっぱり先生と生徒。
「先生って、生えて…ないよね」
「うん、処理してるんだよ」
「そうなんだ。女の人は、みんなそうなの?」
「みんなではないけど、この学校では生徒は全員そうするし、それに、そういうひと、増えてるみたいだよ。あたしも脱毛しに行ったとき、予約いっぱいで順番待ちだったもん。処理してないのがダメとかないけど、サロンの人は『最低限の礼儀作法』って嘯いてたからね」
「そっかぁ、じゃあ、もし、ぼくが生えなくても、安心だね」
「あら、どうして? 生えないの?」
「うん、ウチのお母さんも生えてない。家系みたいです。お姉ちゃんも生えてないし」
 先生はぼくのおちんちんを咥えて、愛撫する。陰嚢を片手で包んで、もう片方の手で根元を掴み、ぐちゃこっ、ぐちゃこっ、ぐちゃこっ、先生は物凄い音を鳴らして頭を上下させ、ぼくは全身に鳥肌が立つ。海野先生はさっきまで処女だったのに、フェラチオがとても上手です。舌を巻いて啜ったり、扁桃腺を蠕動させたり、唇をすぼめて先っぽの段を締めつけたり、その間、ぼくは緩んだ袋をもみくちゃにされて、腰が抜けないよう立っているのがやっと。ぼくは先生の肩を掴んだまま頼りなく震えて、とうとう弱音を吐く。
「せんせ…、またイっちゃう」
「んむ、ふむんむふむ?」
「あっ、だっえっ」
 先生が根元をぎゅっと掴んで口を離す。赤い唇から体液の糸がひいて夕陽にキラキラ。絶頂寸前で急ブレーキを踏まれて、ぼくはつんのめってギリギリのエッジに立って落ちないようにバランスを取り、やがて二歩、三歩、後ろに下がってクールダウン。
「えへへ、莉音、寸止めされたこと、ないでしょ?」
「先生の意地悪、ぼく…」
「イキたい?」
「出したいよ、ねぇ、先生」
「お、あ、ず、け。さぁ、病院に行こう」
 さっきまで泣きそうな表情で身もだえしていた先生が、急に魔女の微笑みでぼくを翻弄します。女はしばしば毀れた信号機よりたちが悪い。ぼくは制服の下を履いて、モップで床を拭いて、鞄を掴んで、先生と一緒に保健室を出る。先生はロッカーへ、ぼくは下駄箱へ。靴に履き替えて、外に出る。学校の正門まで走り、海野先生の車に乗り込む。

 夕焼けを覆う葉桜の黒い影をみあげたまま、ぼくはおおきく欠伸をひとつ。
 病室からみえるのは黒い森と夕焼けと、低い山の稜線が空に滲んだ赤みと青み。今年は春らしい春もなく、冷たい雨に凍え、突然晴れると急激に蒸して汗をかき、薄着で出かけると雨が降る。そうしてまた旺盛な夏が匂い始めます。
「莉音くん、お姉ちゃん、中庭にいるよ」
 ぼくにTシャツをくれた看護婦さんが教えてくれる。海野先生は飲み物を買いに行ってしまった。ぼくは看護婦さんに案内されて、階段を下りる。廊下の途中で、水色の患者衣を羽織った裸足の少女とすれ違う。患者衣の前ははだけて、その下は全裸で、ぼくが目の前を通過するのをじっとみている。通用口から中庭に出る。柔らかい芝生に囲われたひょうたん形の庭で、ウッドチップが敷き詰められた道をあるき、大きなケヤキの植わるベンチの前まで来ると、お姉ちゃんが腰掛けて、俯いて、片手に持ったラジオを耳にあててざらざらしたノイズをきいている。
「お姉ちゃん、ぼくだよ」
 お姉ちゃんは上目遣いでぼくを睨みつけて、また眼を落とす。ラジオのノイズに夢中。唇がかさかさで、頬に血の気がなくて、青ざめて、長い睫は下を向いてどこか遠くをみている。煉瓦の花壇を蝶が飛び交い、北側の窓に映る青空をちぎれた雲が流れてく。ぼくはお姉ちゃんの隣に腰掛けて、お姉ちゃんの表情を覗き込む。
「ねぇ、なにを、聴いているの?」
 お姉ちゃんは眼をあわせずに、あの日の早朝ぼくにみせた残酷な微笑みを浮かべ、ラジオの電源を切って、ぼくの股間に手を伸ばす。ベルトを外す。ジッパーをおろす。ぼくはまたシャツのボタンを裂かれそうだったから、自分でボタンを外して、シャツを脱ぐ。保健室を出てからもずっと硬くなったままのおちんちんをひっぱりだして、震えて咥えて飲み込んで、激しく頭を上下させて飢えと渇きを癒します。
「お姉ちゃん、海野先生も、来てるよ」
 お姉ちゃんはぼくの制服の下を脱がす。パンツごと脱がして、靴まで脱がして、靴下も脱がして、そのへんに投げ捨てる。お姉ちゃんは自分の患者衣も脱ぎ捨てる。お互い全裸。看護婦さんが拾って、畳む。看護婦さんは木製のスツールに腰掛けて、膝の上にぼくの制服と患者衣をのせて、ベンチの上で仰向けになって、股をおもいきりひらいて、お姉ちゃんに無理矢理愛撫されてぶるぶる震えるぼくの可哀想な痴態を眺める。まるで、日常の出来事のように、じゃれあってる子どもをみるように観察しています。そんな看護婦さんの肩越しにぼくたちが出てきた廊下の通用口が開けっ放しになっていて、そこにさっきすれ違った半裸の少女が立っていて、自分の股間に指先を沈めて激しく揺り動かす姿を眼にする。ぼくがどんなに鈍くても、この病院が普通の病院でないと気づくに充分な異様。
「あたし、夢をみたの」
 お姉ちゃんがそう言って、ぼくを跨ぐ。おちんちんをまだ濡れてない膣にねじ込む。すこし痛い。お姉ちゃんは恍惚。
「どんな、夢?」
「あたし、鞄が欲しいの。白と黒のレザーのボストンバッグ。とうとうみつけたの、夢の中で」
「そうなんだ」
 お姉ちゃんが上下に動き始める。刺激が強くて、ぼくは瞬く間に体温が上昇する。汗が噴き出す。
「理想的な鞄なの。いっぱい入って、大きすぎなくて、旅行にも使えて、とても丈夫で、使い込むほどに味が出るって店員さんも言っていて。だから、あたし、その鞄は三万九千五百円もするのだけど、お母さんにお願いして、買って貰おうとおもったの。お店を出て、家に帰る途中で、あたしラーメン屋さんに入って、チャーシュー麺を食べた。そしたら、お店に留美子がいて、あたしはあたしがみつけた鞄のことを教えたの。とても素敵で、可愛くて、ずっと欲しいと思い描いていた形に最も近い、地球上で、この世界で一番あたしが持つのにふさわしい鞄だって」
 びゅるるるっ、びゅううっ、びゅううっ、びゅくっ。すごい量が噴きだし、溢れだし、ぼくの股間とお腹を濡らす。お姉ちゃんはピストンを止めてくれないばかりか、ますます激しくなる。すごい音が響く。ぼくは、きがくるいそう、吐きそう、ぼくの幼い身体につまった欲望の実体をぜんぶ吐き出してしまいたい。ベンチの隙間からボタボタ溢れる体液の筋をみていた看護婦さんも、あまりの大量に両手で口を覆い、すこし慌てて駆け寄って、ペットボトルの飲み物を差し出します。
「もちろん、留美子もその鞄を欲しがるのだけど、あたしはスグに帰ってお母さんにお金を貰って買いに行く。ラーメンを食べ終わってお店を出て、家に帰ってお母さんにお願いしたら、いつもはダメだって言うお母さんがスグにお金をくれて、あたしは走って鞄を買いに行ったのだけど、お店はもう閉まってた。あたしは、翌日になったら留美子にあの鞄を買われてしまうとおもって、かなしくて、泣いたの。声を上げて。そして、自分の声で眼が醒めちゃった。結局、鞄は手に入らなかったけれど、留美子の手にも渡らなくてよかった。だけど、夢だとわかっても、まだ悲しいの。あたし、あの鞄欲しい。どこかに売ってないかなぁ…」
 ぼくはもう一度、ドバッと射精して、これで最後と腰を突き上げて、しかしふたたびドバッと噴いて、股間が濁った精液の飛沫をキラキラばらまいて、絶頂がとまらなくて、お姉ちゃんの声が遠くなって、深淵の縁におちこんで、近親相姦という罪に非業の重さを味わって、やがて現に戻ってきたとき、お姉ちゃんはぼくの股間に縮こまって、そそりたつ濡れた陰茎に舌を這わせて嗤います。
「莉音、あなた、弱くなったわ。あたし、まだイってないのよ」
 こんなのお姉ちゃんじゃない。華やかで、言葉巧みで、人を喜ばせることに長けた、賢くて大人しくて優しくてしとやかな姉の杏樹の皮を被ったおぞましい別の生き物が、ぼくのペニスをしゃぶってる。顔を横に向けて、歯をあてて、おちんちんの先端で頬を膨らませ、急に奧まで飲み込んで、扁桃腺を抜け喉のざらざらを越え、海野先生ですら入れてくれない禁断の食道にずるりと滑り込み、お姉ちゃんはぼくを丸呑みしようと喉を膨らます。
 おぶえっ、ばしゃばしゃばしゃ。
 お姉ちゃんが呻いて、大量に嘔吐する。ヨーグルトの匂いと胃液のすさまじい臭気の吐瀉物を、ぼくの股間とお腹にぶちまける。
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