R18恋愛官能小説 青山倉庫

トッカータ

第12話「スイッチ」


 盆踊りの二日目はお昼から露天が出ている。
 あたしはアヤと優くんの三人で出かけるつもりだったけど、志保が友達の亮子ちゃんと一緒についてきた。あたしとアヤは普段着だったけど、志保と亮子ちゃんは裾の短いミニ浴衣を着ている。
 五人で神社までの道を歩く。あたしはアヤと宿題の話をする。志保と亮子ちゃんは優くんと旅行で見た秘宝館の話をする。自然とあたしたちはバラバラに歩く。優くんたちが露天で綿飴を買っている間に、あたしとアヤは公民館の非常階段をのぼる。二階の非常口は閉まっている。三階も閉まっている。梯子を伝って、屋上にのぼる。日陰のベンチに腰掛ける。アヤが途中で買ったミネラルウォーターのペットボトルをあたしに渡す。
「ここ、昼間も涼しいね」
「そうだね」
 あたしとアヤは、昨日の盆踊りの初日にも、この屋上にのぼって、優くんと三人で愛し合った。ベンチの上は拭いたけど、床の上には乾いた体液の染みが広がる。優くんが間に入ってから、あたしとアヤは二人きりになる時間が減って、むしろ優くんと一緒にいる時間の方が多い。
「ねぇ、アヤ。明後日、保木さんがいないの。優くんと一緒にこない?」
「明日は?」
「あたし、明日はテニススクールがあるから…」
「そっか、テニス習ってるんだよね。麗羅、テニス部には入らないの?」
「うん、なんか厳しそうだし」
「会えなくなるもんね」
 あたしは照れて小さく頷く。アヤの手を取る。引き寄せる。唇を重ねる。ゆっくり押し倒す。ベンチに仰向けになったアヤのシャツの上から、薄い乳房をそっと撫でる。アヤはうっとりした眼差しであたしを見つめて、かすれた声を漏らす。濡れてるの。あたしはアヤのスカートに手を差し込んで、指先で触れる。薄い布が冷たく湿る。あたしはショーツに指を入れて、濡れた粘膜に直に触れる。
「ねぇ、優くんと同じように、口でしてあげよっか」
「恥ずかしいよ、やっ…あぁ」
 アヤのスカートをまくり上げて、指先を震わせる。濡れた音がする。あたしもいっぱい濡れるようになったけど、アヤほど濡れたためしはない。アヤも優くんも、体液が多い。
 ゆっくりショーツを下ろす。アヤは自分から腰を浮かす。片膝を立てる。アヤの太股を押し広げる。女の子の匂いは優くんの匂いよりずっと濃い。顔を近づけると、アヤはあたしの髪に指先を絡める。こんなに間近で見るのは初めて。親指で拡げて、息を吹きかける。花弁が小さく痙攣して、濁った愛液を垂らす。アヤはいつも優くんとセックスしているから、もしかするとアヤの胎内に精液が残っているかもしれない。
「恥ずかしいよぉ…」
 身を捩るアヤの下腹部を押さえて、アヤの肉芽に唇をつける。口の中で転がす。アヤの全身が痙攣する。舌を肉の穴に差し込む。微細なヒダのなかでくるくる回転させる。女の子の味は優くんの味よりずっと濃い。
「はぁ、はぁ、麗羅…、きもち…いいよぉ」
「きもちいいの? どれくらい?」
「溶けちゃいそうなくらい」
「優くんと、どっちがきもちいい?」
「お兄ちゃんとは、違う感じ…。やさしくて…、あっ、あぁっ」
 あたしは指を挿し込んで、いつも優くんにされるように、アヤの前壁をぐいぐいと刺激する。女の子のスイッチは、優くんのスイッチと同じ位置にある。アヤは仰け反って、ベンチからずり落ちそうになる。アヤに覆い被さって、シャツをまくって、乳首を愛撫する。アソコも愛撫する。涼しい風が吹く。アヤの声は太鼓の音にかき消される。
「アヤ…、少し赤いね。大丈夫?」
 あたしはアヤの大陰唇を指先でなぞる。入り口の周囲が赤く腫れている。
「お兄ちゃんの太いから、腫れちゃうの」
「そっかぁ、アヤ毎日してるもんね」
「麗羅も腫れてるよ。気づいてないの?」
 アヤがあたしのスカートに手を入れる。ショーツの中に滑り込む。前後に揺さぶる。くちゅくちゅくちゅ。
 あっ。
 あたしでもアヤでもない、別の女の子の声。あたしたちは驚いて、抱き合ったまま起き上がる。クラスメートの原田友恵が、志保たちと同じようなミニ浴衣を着て立っている。あたしたちが登ってきた梯子から、那須野菜奈が顔を覗かせる。

 あたしはアヤの腕を掴んで、屋上を走る。公民館内部のドアは外から鍵が開けられる。あたしたちは階段を駆け下りる。一階まで降りる。手近なロッカールームに滑り込む。中から鍵をかける。
 菜奈と友恵が駆け下りてくる足音。あたしたちは息を潜める。ドアの通風口に人影がチラチラ踊る。
 いた? いないよね? 絶対隠れてるよ。あれ、彩奈ちゃんと麗羅ちゃんだったよね。ここで待ってよう。そのうち出てくるよ。
 あたしはアヤと抱き合うようにして、狭いロッカールームを奥に移動する。窓の鍵を開ける。
「ここから出られるよ」
 あたしはアヤを振り返って囁きながら、窓をそっと開く。アヤが窓の方を向いたまま、驚きで目を丸くする。
 窓の隙間からは、外の景色じゃなくて、使われなくなった仮眠室が見える。部屋の真ん中で、全裸の亮子ちゃんと志保が抱き合って、全裸の優くんに突かれてゆさゆさと前後に揺れる。亮子ちゃんの喘ぎ声。きもちよさそうな声。初めての時は出さない声。あたしは慌てて窓を閉めようとするけど、アヤがあたしの腕を掴む。
「アヤ…」
「いいよ、あたし、知ってるんだ」
「何を?」
 アヤはロッカーにもたれかかる。狭くてしゃがむこともできない。開いた窓からエアコンの風が流れ込む。優くんが亮子ちゃんのなかを滑る音と、亮子ちゃんの悲鳴に近い声。
「お兄ちゃん、いろんな女の子とセックスしてるの」
「そうなの?」
「明美ちゃんと遥香ちゃんの二人としてるのを見たの。お兄ちゃんは無理に誘われたみたいだったけど…」
「いつ?」
「いつからかよく知らない。お兄ちゃん、昔付き合ってた子と別れてから、少しおかしいの」
「どんなふうに?」
「あたしにはいつも変わらないけど、いろんな子と逢ってる。特定の誰かじゃなくて、いろんな子。ときどき二人以上の女の子。前はそんなことはなかったのに…。あたしが邪魔なのかもしれない。あたしのせいで、普通の恋愛ができなくなってるのかもしれない」
「それは、アヤも同じでしょ?」
「うん…」
 亮子ちゃんがイクイクと喘ぐ。三人とも硬直する。しばらくして、優くんは志保におちんちんを挿し替える。再び動き出す。今度は志保の甘い声。優くんはあたしたちともこんな風にして、交代で何度も何度もセックスする。徐々に交代のペースが上がってきて、最後にはめちゃくちゃになって、何もかもがきもちよくなる。たくさんセックスすると満足するけど、その日の夜にはまたしたくなる。優くんは生理の日でもお構いなくセックスしてくれるから、落ち着く日がほとんどない。
「どうしよう。表から出る?」とあたしが聞く。
「もうしばらく待ってよう。菜奈ちゃんたち、しばらくすればいなくなるよ」
 あたしはアヤと抱き合う。少し肌寒い。アヤは目を閉じて、唇を差し出す。キスをする。少し汗ばんだお互いの肌に指を滑らせる。
 優くんたちのセックスの声と音を聞きながら、あたしとアヤは狭いロッカールームで抱き合って、愛撫し合う。アヤの心が乾いていくのはあたしにとって密かな悦びだけど、アヤと優くんが離れてしまうのはあたしにとって望ましくない。宙ぶらりんな状態を保つために、あたしは優くんを操らなければならない。そのために、あたしはみんなの手綱を取らなければならないけど、どうすればいいかわからない。
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