R18恋愛官能小説 青山倉庫

鳴沢文芸部

第8話「初めて」


 田舎の駅前には場末のホテルがあって、制服を着た高校生でも簡単に入れる。
 ぼくは天音と一番広い部屋に入って、棚に置いてある給茶機でお茶を煎れる。ベッドの縁に並んで座る。お茶を飲む。エアコンがきいていて、外観の汚いビルなのに、内装は綺麗。
「天音って、子供の頃から絵を描いてるよね」
 ぼくが訊く。天音は首を傾げる。
「ちっちゃいころ描いてたのと、いまのは違うかな…。ちゃんと描き始めたのは、中学校のころからです。美術の時間に静物画を描いたら、先生から美術部に誘われて、それでデッサンしたり、デザインのこと教わったりしてたの」
「実留衣に描いてた絵と全然違う雰囲気だから、びっくりしちゃって…」
「あれ、じゃあラフっぽい絵の方がよかった?」
「ううん、描いてくれた絵のほうがお洒落でぼくはすき。切り絵みたいで、シックな色なのに鮮やかだし、線が太いのにすごい繊細」
「ふふ…ありがと」
 天音は湯飲みをサイドテーブルにおいて、携帯を開く。電話をかける。もしもし、あたし。きょう部活の打ち合わせと校正があるからうんと遅くなるよ、帰りは駅から電話するから、迎えにきて。そう言って携帯を閉じる。ぼくをみあげる、切ない眼差し。
「ね、いいよ、キスしよ」
 ぼくは天音に唇を重ねて、左腕で肩を抱く。鏡橋のうえの初めてのキスと違って、濃ゆくて、お互いの舌がくるくると絡みあって、トクトクと加速する心拍がきこえそう。天音はからだじゅうから力が抜けて、ぼくに体重をあずけてぐっと重くなり、その重さに天音のいのちそのものをかんじます。
 右手で天音の胸をそっと触る。ブラの硬い感触。もっと柔らかいと想像していた女の子のカラダは、タイトに引き締まって、コンパクトで、意外に重くて、ゆっくりと仰向けに寝そべる。唇を離さず、舌をちゅるちゅる絡めながら、胸をなでまわして、ソフトに揉む。天音がくすくす嗤う。
「ごめんなさい、揉めるほど胸なくて…」
「ううん、ぼくはちいさいほうがすき」
 そう言ってふたたび唇を重ねる。いろいろな角度で唇どうしを絡ませる。舌も絡ませる。チェックのリボンを外して、制服のブラウスのボタンを上から一つずつ外す。唇を離して、両腕を天音の背中にまわす。ブラのホックに悪戦苦闘していると、天音は上半身を起こして、自分でホックを外してくれる。
「慌てなくていいよ。ゆっくり、しましょ」
 再びキス。ぼくは天音のブラを外して、両手で胸を包む。人差し指と中指で乳首を挟む。天音は敏感に肩をすくめて反応する。天音の手がぼくの股間に伸びる。制服の上から硬くなったアソコを撫でる。ベルトを外す。ジッパーを下ろす。パンツに指が滑り込んで、アソコに巻き付いてくる。
「カターい、男の子ってすごいのね」
「天音のおっぱいは柔らかいよ」
「ちいさいですけど…」
 スカートのホックを外す。ジッパーを下ろして、天音が腰を浮かして、スカートとショーツを脱がして、ブラウスを脱がして、靴下を脱がして、全裸。天音はぼくの制服のネクタイを外して、シャツを脱がして、ぼくは自分でズボンとパンツを脱いで、全裸になる。ベッドのうえで抱きしめ合う。天音はおどろくほどちいさくて、細くて、力なく仰向けに。ぼくは天音の唇から頬、瞼、耳朶、首筋、鎖骨を滑って薄い乳房を這い上がり、桜色の乳首にちゅうと吸い付く。
「んふふっ、あはは、くすぐったい」
「くすぐったいの?」
「うん、くすぐったい…」
「きもちよくない?」
 天音はぼくの手を取って、じぶんの股間に導く。指先が、濡れた割れ目につるりと滑る。
「聖に触られてるだけで、こんなになってる。きもちよくないわけ、ないじゃない」
「天音は、慣れてるね」
「あたし、初めてです」
「ぼくだって初めてだよ…。ごめんね、ぎこちなくて」
「そんなことありません。ねえ、恥ずかしい告白していい?」
「なあに?」
「あたし、聖と、したかったの。小学生のときから」
「そうなの?」
「まいにち、したくて、でも聖は気づいてくれませんでした。まいばん、聖と結ばれるところを、想像してたの」
「そうなんだ、ぼくは、子供だったんだね」
「まいばん、まいばん、聖と結ばれるところを想像して。すごくないですか? あたし、淫乱なのかなぁ…。でも、いま、ほんとに聖としてるんだね。想像したより、聖、たくまし…、あっ」
 ぼくは天音の両脚をひろげて、子供みたいにつるんとした割れ目に舌をさしこむ。女の子の苦くて痺れるような味とにおいをかき分けて、粘膜を上下になぞる。指先でさやをめくって、肉芽をじかに吸う。ちゅっか、ちゅっか、と音をたてる。
「やーっ、すご…、あーダメ、あっ、あっやっ、はずかし…」
「天音はこんな味がするんだ」
「どんな味?」
「見た目はこどもなのに、味はおとななの」
「なにそれ、あはは、あーっ」
 天音は上半身をくねらせて、激しく反応する。内股に汗がにじんで、がくがく痙攣して、両手でぼくの髪の毛をくしゃくしゃにする。きもちいい、きもちいいよ。甘い声が狭くて古くて飾り気のないラブホの部屋に響いて、シーツの擦れる音、天音の粘膜を舐める濡れた音、窓際の蒼い光。ぼくは天音を吸いながら、両腕を伸ばして薄い乳房をなで回し、乳首をつまんでソフトに刺激する。じぶんが求めるよりも、ずっと柔らかく、優しく、粘膜とふたつの乳首を同時に愛撫する。天音の反応を確かめながら、天音がいちばん感じてくれるポイントを探す。うつぶせで愛撫していると、だんだん首が疲れてくる。舌が痺れてくる。両腕が懈い。愛撫って、想像していたより、ずっと過酷。
「聖、せ…、ああーっ」
「天音、きもちいい?」
「すごい、きもちいい。イキそう」
「入れて、いい?」
「入れたいの?」
「うん、入れたい」
「つける?」
「つけ方、わかんないけど…」
 ぼくはヘッドボードのコンドームに手を伸ばす。天音が手首を掴む。
「ねえ、外に出す自信ある?」
「どうして?」
「中に出さないなら、生でしていいよ」
「いいの? 大丈夫?」
「いいよ、聖なら。失敗したら、責任とってね」
 そう言ってけらけら嗤う。ぼくは天音に覆い被さって、先っぽを割れ目におしつける。花びらがひらいて、先っぽを包む。ぐっと沈める。天音は眉間にしわをよせて、枕を掴んだ腕をふるわせる。つるんと滑って抜ける。もういちど先っぽをおしつける。リズムをつけて、ぐっぐっぐっと押しつける。ちっとも入る気がしなかったけど、七回目のストロークで、ずるっと皮がむけるような熱い感触に包まれて、天音が悲鳴をあげる。
「いいーっ、痛ぁ」
 ぼくがなにか言おうとすると、天音はぼくを引き寄せて、キスをする。ゆっくり、ゆっくり入れて、と囁く。ぼくは力を入れたり抜いたりしながら、少しずつ、少しずつ、天音のなかに滑り込んでいく。セックスは、お互いが溶けあって感覚まで共有できるような素敵な行為だとぼんやり妄想していたけれど、現実にはぼくは天音の痛みがわからないし、天音に包まれていくぼくの快感は天音には通じないし、ずりっ、ずりっという鈍くてはっきりした感覚が、ぼくと天音の境界線を際立たせるのです。
「はいった、ぜんぶ、はいったよ、あまね…」
「せい…、あっ、ちょっまっ、てっ、あっあっあっ」
 ぼくは我慢できなくて、天音を突く。浅めに腰を前後させて、濡れたおとをきく。天音は露骨にベッドの上へ上へと逃げていく。ヘッドボードまで追い詰めて、ぼくは天音の両手を掴んで、天音をみつめながら小刻みに突く。
「天音、きもちいいよ…」
 天音は涙目で頷く。微笑む。喘ぐ。喋れない。
「イキそう、あま…」
 いっていいよ、と天音の唇が言う。天音の両脚が腰に巻き付いて、ぼくを逃がさない。ダメ、イク。
 びゅっ、びゅーっ。
 慌てて抜く、お腹にまき散らす、びゅっくびゅっくびゅっく、最後はぽたぽた滴り、痙攣がおさまる。
「すごいいっぱい、アハハハ、聖すごーい」
「天音がきもちよくて…」
「ヤクルト一本分くらい出てるんじゃない?」
「ごめん、結構、中に出たかも」
「ほんと?」
「うん、ごめん…」
 天音はぼくを引き寄せて、ゆっくりキスをする。唇を擦り合わせながら、囁く。
「心配しないで、あたし、聖に迷惑かけないから」
「それはダメ。ぼく天音をだいじにする」
「ありがと、好きよ、聖」
「ぼくも好きだよ、あいしてる」
 舌を絡め合う。天音の手がアソコに伸びる。反り返ったままの根元をぎゅっと掴んで、囁く。
「もう一回する? びんびんだよ」
「天音は大丈夫?」
「あたしは平気、聖がしたいなら」
 ぼくはヘッドボードのコンドームを取る。袋を破いて取り出す。天音がゴムをつまんで、唇に咥える。まだ濡れてる陰茎をぱくりと咥えて、根元まで飲み込む。外れる。半端に開いたコンドームを、爪でつまんでかぶせようとする。
「あっ、破れちゃった」
 そう言って、天音はコンドームをベッド脇のゴミ箱にぽいっと投げる。
「どうしよう、一個しかないよ」
「いいや、もう出しちゃったんでしょ。このまましよう」
 仰向けになった天音に覆い被さって、ぼくは再び濡れた割れ目に先端をおしつける。最初ほど抵抗なく、にゅるりとなめらかに滑り込んで、さっき中に出した精液がぶりぶりっとあふれ出てくる。ゆっくり前後すると、つっちょつっちょ、さっきより卑猥な音が響く。
「ふふ、すごい音」
「天音の音だよ」
「ちがうよ、あたしと聖の愛し合う音でしょ」
「ねえ天音」
「なあに?」
「ぼくの彼女になってくれますか?」
 天音はぼくをしばらく見つめて、急にケラケラ嗤いだす。嗤うたびに、アソコがぐいぐい圧迫される。
「聖はマジメだね。いいよ、いまから、あたしは聖の彼女。聖は、あたしの彼氏」
 そう言って唇を重ねる。いっぱいいっぱいキスをする。一回目よりずっと落ち着いて、ぼくは天音の反応をみながら、ゆっくり、時間をかけて、溶かしていく。
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