R18恋愛官能小説 青山倉庫

絶頂ラジアン

第13話「絶頂ラジアン」

 ぶーん、ぶーん、ぶーん。
 携帯が振動する。出るかどうか迷う。あたしはお兄ちゃんにまたがって、いつものように愛しあっている。お兄ちゃんが動きをゆるめる。あたしは濡れた手をタオルで拭いて、携帯をひらく。達也から。出る。
「もしもし」
「もしもし、恵未ちゃん? 俺、達也」
「なんですか?」
「あれから、連絡とれなくて、ごめん……」
「うん」
「あの日のこと、謝りたくて」
「うん」
「これから会える?」
「会いたくないです」
「ほんの少しでいいんだけど……」
「あたし、知り合いに、刑事さんがいるんです」
 達也は無言。
「その刑事さんに、相談します。レイプされそうに、なったって」
 通話を切る。通話時間、二十七秒。その表示が消える前に、またかかってくる。出る。
「ねぇ、説明させてくれよ」
「なにをですか?」
「俺、新聞クラブにいたの、覚えてる?」
「新聞クラブ?」
「小学校の新聞クラブ。俺、目立たなかったけど、恵未ちゃんと同じクラブにいたんだ」
 そういえば、あたしは低学年の頃、新聞クラブにいた。取材は楽しかったけれど、新聞自体が手作りからパソコン製作に変わっておもしろくなくなって辞めた。
「俺、その頃から恵未ちゃんのことが好きで、好きで好きで、どうしようもなかったけれど、俺、奥手だったし、まだ子供だったから、話しかけることもできなくてさ。接点を持つことができなかったんだ」
「ごめんなさい、覚えてない」
「いいんだ、しょうがないよ。随分前のことだし。だけど、恵未ちゃんの従姉妹の智之が転入してきてから、チャンスが巡ってきた。恵未ちゃんと何度か言葉を交わすことができたしさ。恵未ちゃんは俺のことをどうおもってるかわからなかったから、それ以上踏み込めなかったけど、あの雨の日に、恵未ちゃんが俺のことを求めてくれて……」
「それ、誰かに言った?」
「ううん、まだ誰にも」
「あたし、処女だから、達也くんと、できなかったんだよね」
「そうだね。びちょびちょに濡らしても、処女膜のせいで這入りそうになかったよ。恵未ちゃんも、俺に処女を捧げたいって言ってたけど、すっげー痛がって無理だった」
「だから、レイプしようと、したの?」
「そういうわけじゃないけど、恵未が誘ってるっておもって」
「なにを、どう勘違いしたら、そうなるの?」
「ごめん……」
 達也は沈黙する。あたしも黙り込む。達也の鼻息がうるさい。お兄ちゃんのてのひらがあたしの薄い胸を撫でる。ゆっくり動き始める。
「あたし、他にすきなひとが、いるから、諦めて」
「無理だよ、俺、恵未のことしか考えられない……。俺、ショックでずっと学校を休んでいるんだ」
「それは、あたしの、せいじゃない。諦めて」
「どうして? こんなに好きなのに」
「しょうが、ないじゃない、恋愛は、そういうものでしょ」
「ひどいよ。恋愛はそんなに残酷なの?」
「じぶんが、仕合わせに、なるために、好きじゃないひとを、踏みにじらなきゃ、いけないもの。あなたは、好きなひとを、踏みにじったのだから、もう、救いようがない。それに、あ、あたしは、あたし、あっあっあっ」
「どうしたの、恵未、大丈夫?」
「はぁはぁ、大丈夫…」
「気分でも悪いの?」
「ううん、逆よ。きもち、いいの」
「え?」
「あたし、処女じゃないよ。いまも、すきなひとと、セックスしてるの」
「え…?」
「まいにち、こうやって愛しあってるの。あなたの入り込む余地なんて、ないの」
「相手、だれ?」
「いま、かわるね」
 あたしは仰向けの智之お兄ちゃんに、携帯を渡す。携帯を受け取ったお兄ちゃんは、あたしを滅多衝きにする。あたしは達也にきこえるくらい、一度きいたら忘れられなくなるくらい、エッチな声で喘ぐ。
「もしもし、達也、はぁはぁ、これから、どうするの……? あっ、切れた」
 お兄ちゃんが携帯を閉じるパタンという音と同時に、いったい今日なんどめかわからない射精が、あたしの底で噴き上げる。お兄ちゃんは涙を滲ませて、微笑む。あたしにしかみせない甘い表情。あたしはお兄ちゃんに覆い被さって、キスをする。お兄ちゃんに抱きしめられる。たったいま、携帯で喋っていたことを忘れてしまう。
 窓の外で、ざあっと雨が降り出す。

 電子レンジで暖めたシチューを二人分、食卓に運ぶ。
「雨、やまなそうだね」
 お兄ちゃんが肩にかけたタオルで髪を拭きながら言う。二人でシャワーを浴びて、浴室でもいっぱい愛し合って、そのままの格好で夕食。あたしはキャミソールを羽織っただけ。お母さんがいないと、だんだんだらしなくなってくる。
「ねぇ、恵未、しながら食べようよ」
「えー、またぁ?」
「ぼく、おさまらなくて……」
「お兄ちゃん、強すぎなの」
 あたしはお兄ちゃんの前にしゃがんで、勃起したままのおちんちんを咥える。ゆっくり飲み込む。あたしは口でするのが、まだ苦手。ゆきえのように上手にできない。お兄ちゃんは腰を突き出して、あたしの髪の毛をかきあげる。あたしが口でするのをみるのがすき。あたしは唇を開いて、わざと大きな音を立てる。ちゅっこ、ちゅっこ、ちゅるごっ、ちゅるごっ。お兄ちゃんの両脚がピンと突っ張って、震えて、あたしはそっと口を離す。お兄ちゃんにまたがる。お兄ちゃんはあたしを抱く。
「恵未、ごめんね。お互い、落ち着く暇もないよね……」
「いいの。お兄ちゃんに求められるなら、時間のある限り、躰のもつ限り、応えてあげたいもん」
「あいしてるよ、恵未…」
 お兄ちゃんはあたしを抱きしめる。あたしはお兄ちゃんのおちんちんに、自分の割れ目をこすりつけて、その熱を感じる。サイドテーブルに、お兄ちゃんがウチに来たころ撮った写真が載っている。お母さんを挟んで、左側にあたし、右側にお兄ちゃん。写真を撮ってくれたのは、ゆきえだった気がする。
 あたしは一度立ち上がって、お兄ちゃんに背を向ける。テーブルに手をついて、お尻を突き出す。お兄ちゃんは立ち上がって、後ろからあたしに挿入する。にゅるるるっと根元までつながって、密着したまま椅子に座る。お兄ちゃんが椅子をひく。少し冷めたシチューを掬って、あたしの口に運ぶ。
「んふふ、お兄ちゃん、エロイこといっぱいおもいつくね」
「恵未と、いろんなこと、してみたいから…」
「ゆきえがいたら、いいのにね」
「ぼく、恵未とふたりきりがいいよ」
「だめよ、あたし、ゆきえがいないと、イかないもん」
「それ、なんでだろうね。でも、こないだ、早苗さんにみつかったとき、恵未、イかなかった?」
「イったイったー、あれすごい角度がよかったの」
「角度?」
「うん、あたしと、お兄ちゃんがつながってる角度。四十五度以上、六十度未満のどこかに、たまらない角度があるの」
 そう説明して、あたしはゆっくり上下に揺れる。お兄ちゃんがあたしの乳首を摘みながら、シチューを掬って自分の口に運ぶ。あたしの口に運ぶ。交互に食べる。昨日は向かい合って食べて、お兄ちゃんは口移ししようとするから、食べるのにすごく時間がかかった。
「お兄ちゃん、あたし、自分で食べる…んむ」
 振り返ったあたしの唇が奪われる。舌を絡め合う。まいにち、まいにち、まいにちまいにちまいにち、お兄ちゃんはあたしと一分でも長くつながっていようとする。しあわせだけれど、しあわせすぎて、すこし退屈。
「あたし、どこに集中すればいいの? シチューを味わってたら、お兄ちゃんきもちよくするし、お兄ちゃんを感じてたら、シチューを食べられないし…」
「両方、どうじに味わおうよ。セックスだけじゃ、物足りないでしょ」
「そんなこと、ないよ」
「ながらセックスって、セックスがとても強く記憶に残るんだ。セックスだけだと、きもちいいけど、あまりよく覚えていないでしょ」
「ふうん、ふふ……、ふっ、あっあっあぁあぁあぁ」
 お兄ちゃんはあたしの胸を両手で包んで、乳首を刺激しながら、小刻みに衝きあげる。きもちいい、きもちよくて、手が震える。雨はいつしか豪雨になって、バルコニーのすのこを雨粒が叩く音が響く。
「さぁ、食べてみて、セックスしながら、食べて…」
 あたしはぶるぶる震える右手を左手で支え、シチューを掬って、そっと口に運ぶ。両方を味わうなんて、難しいけど、すごくへんな気分。もう一掬い。お腹がすいてるから、美味しい。パンを千切って、シチューに浸して食べる。その間も、お兄ちゃんはあたしを衝く。ちゃぷちゃぷ音がする。シチューに浸したパンの一切れを、肩越しにお兄ちゃんに差し出す。食べさせる。お兄ちゃんは食べ方が上品。もにゅもにゅ食べながら、あたしを衝くことを忘れない。お兄ちゃんは片手であたしの割れ目を撫でる。お兄ちゃんの太いおちんちんをまいにち包み込んで、入り口がすこし朱くなっているのを鏡でみた。お兄ちゃんはあたしの陰核をつまんで、あたしを衝きながら刺激する。感じたことのない快感がとめどなく溢れて、表現できない気分。お兄ちゃんは、あたしのからだに備わった、あたしのしらない機能を知り尽くしていて、次から次にスイッチを入れていく。だめだよ、壊れちゃう。
「だめ、もう食べれない……」
「恵未、おなかいっぱい?」
「うん、だって、お兄ちゃんのが、あたしのお腹のなかに詰まってるんだよ」
「そう、だね」
 お兄ちゃんはからだをぶるっと震わせて、またあたしの胎内にドバっと射精する。
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