R18恋愛官能小説 青山倉庫

絶頂ラジアン

第11話「自転車セックス」

 避妊しなさい。
 智之お兄ちゃんと愛し合っているところを見つかったその夜、お母さんはあたしにそう言った。その夜は久しぶりにお母さんと一緒に寝たけど、翌日からあたしはお兄ちゃんの部屋に戻った。お母さんが買ってきた丸いゴムをお兄ちゃんのおちんちんにかぶせてセックスするようになりました。薄いゴムいちまいを隔てるだけで、あたしはお兄ちゃんを直に感じることができなくなってしまって、それに、その避妊具はお兄ちゃんが射精するたびに交換しなければならなくて、普段でも十回近く、昼間お母さんがいない日に至っては二十回近く射精するのに、その都度交換するなんて現実的じゃない。あたしたちは二週間と経たずに、避妊することに飽きて、もとに戻ってしまった。生、ナマ、なま。生でするのがいちばんきもちいいです。
 でも避妊具が減らないとお母さんが逆に心配してしまうから、あたしたちは最初の一回目だけはつけて、二回目以降はつけない。そうすると、一回目で十分潤んだあたしのなかに、お兄ちゃんがつるりと楽に這入ってきて、以前のような軽い痛みもなくて、とてもきもちいいです。

 夜の中央公園。
 お兄ちゃんが乗った自転車に、荷台にゆきえが座って、あたしはお兄ちゃんと抱き合って、自転車の上でつながる。あたしとお兄ちゃんは下半身になにも着けずに、短パンを前籠に入れて、中央公園の南、大きな溜め池の周りのジョギングコースをゆっくり走る。公園の西や東と違って、ここは道が平坦だし、夜間はひとがまったくいない。あたしは進行方向に後ろ向きに抱かれて、お兄ちゃんが自転車を漕ぐ太股の上下に任せて、躰の最深部を衝かれて、お兄ちゃんの肩越しにゆきえとキスをする。
「達也、今日も休みだったよ」
 お兄ちゃんが言う。達也、そういえば忘れてた。
「あれから学校に出ていないの?」
「うん、病欠になってる」
「お兄ちゃん、先生に話した?」
「まだ話してない。出てきたら、最初に達也と話して、それからどうするか、決めようとおもってたけど…」
「あたしは絶対許せない」とゆきえが言う。
 ゆきえは達也のレイプ未遂のことをきいて、一番怒っていて、最初は達也の家に押しかけようとしたり、警察に通報しようとしていたけど、闇雲にそんなことをして自棄になった達也に報復されても困る。この話はあたしたち三人だけで秘密にして、現場に居合わせた赤西さんにも口止めした。
 橋の前のカーブを曲がる。橋にさしかかる。涼しい風が吹く。横風。お兄ちゃんは少し左右に揺れて、やがてバランスを取り戻す。あたしの胎内でお兄ちゃんの先っぽも左右に揺れる。えぐられて、衝かれて、暗闇を流れていく街灯の光が滲む。
「いっちゃ…、あっ」
 お兄ちゃんが呻いて、あたしのなかにドバっと放つ。膣腔が膨らむのがわかるくらい大量で、ぶくぶく溢れて、あたしとお兄ちゃんの太股を伝う。お兄ちゃんは自転車を漕ぐのをやめない。ゆきえがあたしの頬にキスをする。
「なんかポタポタ溢れてるよ」とゆきえが囁く。
「いっぱい出された…」
「避妊するんじゃなかったの?」
「お兄ちゃんだからいいの」
 緩やかな上り坂にさしかかって、お兄ちゃんは自転車を漕ぐ。あたしの躰は上下前後左右にゆれて、お兄ちゃんの先端が子宮頚の周囲をぐるんぐるんと回転する。堪らない。息がとまりそうなくらい、きもちいい。またイク。
「あーっ」
 すごい大きな声が出てしまう。太股がびくびく跳ねて、胎内のお兄ちゃんをぎゅっと締めつけて、お兄ちゃんはあたしを衝き続けて、あたしは気がくるいそうで、お兄ちゃんの背中に爪を立てる。お兄ちゃんは自転車を歩道脇に寄せて、ブレーキをかける。とまる。お兄ちゃんがあたしを衝きあげる。ぶちゃぶちゃぶちゃぶちゃ、すっごいエッチな音。
「恵未、ナカに……」
「だしてぇ」
 びゅーっ、びゅるっ、びゅっく、びゅっく、びゅっく。
 さっきよりも大量。泡まみれで噴き出すぶりぶりっという卑猥なおとが聞こえて、あたしはゆきえと舌を絡め合って、イってる最中なのにもういちど大きな波が押し寄せる。ズンという地響きのような快感。きもちいい、たまらない、くるしい、息ができない。
「かはぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、だめ、もうだめ…」
「恵未、きもちよさそう…」
「やっ、はあっ、だめ、だめ、じっとして」
 お兄ちゃんが微動するだけで、あたしはからだじゅうが引き攣って、暗闇のなかでゆきえが微笑んでいて、夜の匂いがする風に肌を撫でられるだけで、あたしの脳幹に危機的快感がパチパチ火花を散らすように閃いて、お兄ちゃんが耳元できもちいいのきもちいいのと繰り返し訊くけど、あたしのしっている安っぽい言葉で際限なく湧き上がるこの感覚は名状しようもなく、あたしのからだはしばし快楽に支配されて、あたしが自由にコントロールできるようになるまで時間がかかる。
「恵未、大丈夫?」
 お兄ちゃんが心配し始める。あたしは震えながら、お兄ちゃんにキスをする。
「ヤバかった…、お兄ちゃんの、スゴかったよ」
「恵未、終わりじゃないよ。まだ一周しかしてないよ。あと三周しなくちゃ」
「うん……、頑張る。いっぱい出してね」
 そう言ってキスをして、お兄ちゃんの腰に巻き付けた両脚にちからを入れる。お兄ちゃんは走り出す。こんどは緩やかな下り坂。お兄ちゃんは腰を突き出して、坂をゆっくり下りながら、リズムを刻む。さっきより大きなサイズの快感が、ズシンズシンと響いて、粘膜から肉へ、肉から骨へ、骨から脳髄へ、壮大に響き渡る。あたしはお兄ちゃんにしがみついたまま、ゆきえに報告する。
「あたしたちね、お母さんに、バレたの」
「なにを?」
「セックスしてること」
「ええーっ?」
「最中に、お母さん帰ってきてさ、見つかっちゃった」
「怒られた?」
「うん、少し」
「すこしだけ?」
「そのときに、避妊しなさいって、お母さんに言われたの」
「あっ、そうなんだ」
 びゅーっびゅっびゅっびゅーっ、びゅっく、びゅっく、びゅっく。
 あたしとゆきえが肩越しに喋っている最中に、お兄ちゃんはモールス信号みたいに派手に射精して、また溢れた精液が自転車のフレームを濡らす。くふぅ、と切ない声を漏らす。自転車が急に歩道を逸れて、脇道からゲートボール場へ向かう。そのでこぼこ道の振動が、お兄ちゃんの先っぽを伝ってあたしの子宮に響く。ダメ、またイっちゃう。
 自転車が物置の裏にとまると同時に、あたしの躰が痙攣する。おもわず叫びそうになるあたしの唇をお兄ちゃんの柔らかい唇が覆う。唇どうしをくっつけたまま、お兄ちゃんは、我慢してと囁く。太股とか膣とか子宮とかお兄ちゃんに触れあっているところが意志に反してひどく引き攣ってどうしようもないけど、お兄ちゃんはあたしの細いからだをぎゅっと抱きしめて、息が苦しくなるくらい抱きしめて、あたしはすこし気が遠くなる。ずっとこのままでいたい。

「馬鹿じゃないの」
 近くで誰かの声がする。ゆきえが、誰かいる、と囁く。あたしはお兄ちゃんとつながったまま、抱き合ったまま、耳をすます。
「無理矢理って、犯罪だよ」
「だって、向こうがその気だったんだし…」
「そんなわけないじゃん。達也、ほんと女の子のことわかってない」
 達也と、もうひとり女の子の声が近づく。足音が立ち止まる。ゲートボール場のあたしたちが隠れている倉庫のすぐ表側には、屋根付きのベンチがある。そこから声が聞こえる。
「つぐみは上手くいってンの?」
「あたしは、まだだけど、うーん、いまいちトモくんのこと掴めなくて」
「つぐみだって、男のことわかってねーじゃん」
「あたしは無理矢理したり、相手を傷つけるようなことしないもん」
「無理矢理してよくね? それで厭がる男なんていないっしょ」
「えーっ、そうかなぁ。そんなことないでしょ」
「つぐみレベルだったら大丈夫だって。いきなりフェラチオとかしちゃえばいいじゃん」
「アハハ、やだー。てか男のひとのアソコって、触ったこともないよ」
「俺の触ってみる?」
「いやっ、ヤメてよー、もおっ、きたないなぁ」
「俺のがきたなかったら、智之のだってきた…」
「トモくんはきたなくないもん、綺麗だもん」
「でもあいつ、ぜってー巨根だぜ」
 赤西さんが笑う声。お兄ちゃんがアソコに力を入れて、あたしのナカでピクピク。すぐそこで噂になっている巨根が、あたしの潤んだ粘膜に根元まで包まれて、きもちよくなっている。だれにもあげない、これはあたしのもの、ゆきえにはとくべつに貸してあげるだけ。
「俺、恵未ちゃん押し倒したところ、智之にみられたんだよな」
「ほんとに? ヤバいじゃん」
「先生、なんか言ってなかった?」
「アンタそれで休んでるの? 情けなー」
「だって噂になるの、厭じゃん」
「てか結局は無理矢理しようとしたんでしょ。それってレイプじゃん」
「レイプじゃねーよ」
「レイプだよ。気持ちはわからなくないけどね。恵未ちゃん超可愛いしさぁ、お母さん似なんだよね。あの子は将来、絶対モテるとおもうなぁ。モテ始めたら、達也ほかの男の子に敵うの?」
「なんでだよ」
「ラテン系って、結構、女子の間では不人気なんだよね」
「えっ、俺ラテン系?」
「どっからどうみても。あ、ちょっと待って」
 会話が途切れる。将来モテモテのあたしは、お兄ちゃんと唇を重ねたまま、ゆっくり腰を振る。お兄ちゃんも腰を振る。お互いの息がぴったりで、ちゃぷちゃぷ音がする。二人にきこえそう。
「結愛からメール来た。調子どう?って」
「なんかムカつく」
「あの子が言うから信じたのにさ、ちっとも上手くいかないよね」
「そもそもさー、あいつほんとに崇をやり込めたのかな?」
「崇くん?」
「セックスしたって嘘ついて信じるか普通」
 お兄ちゃんが背中に手をまわして、ゆきえのアソコを指で愛撫する。あたしはお兄ちゃんの肩越しにゆきえとキスをして、お兄ちゃんはあたしをリズミカルに衝きあげる。声が漏れそうになるのを、必死で我慢する。
「あのクサ使うと、信じちゃうんでしょ」
「ぜってー怪しいって。俺電話で喋ったとき、恵未ちゃん全然信じてくれないし冷たいし」
「ちゃんとクサ使った?」
「朋子さんにお願いしたよ。まあ俺も貴婦会員みたいなもんだし、会員同士、お互い頼み事は断れないっておもって」
「えっ、じゃあ、結愛からクサ買ってないの?」
「買うわけないじゃん。たけーよ」
「ひどーい、あたし買ったよ……だいたい結愛ってさー……」
 足音と話し声が遠ざかる。二人とも、ベンチを離れて立ち去ってしまう。あたしたちはその場でしばらく複雑に絡み合ってゆさゆさと蠢いて、あたしがイキそうになるとお兄ちゃんは動くのをやめて、ゆっくり自転車を走らせる。またあのでこぼこ道の振動が躰の奥を突き抜けて、遊歩道に走り出ると同時に絶頂する。
「恵未、すごいよ、ぎゅうーって締まる」
「あたし、もう…、あた…、あっ」
「まだあと三周あるよ。がんばろ」
 もうだめかも、失神しそう。誰かにみつかりそうな場所でセックスすることが、こんなにきもちいいなんて、想像もしなかった。もう、みられたっていい。智之お兄ちゃんと、家に帰るまでつながっていたい。
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