R18恋愛官能小説 青山倉庫

快楽コサイン

第19話「手紙」


 ゆきえが仰向けのあたしの髪をくしゃくしゃにしながら、唇をすりあわせて、舌どうしをくるくる絡め合う。
「恵未、えっえっあっあっあっ、はぁはぁ……」
 ゆきえはあたしに唇をつけたまま、上下に揺れる。ゆきえはあたしに覆い被さって、あたしたちはベッドの上で抱き合って、膝を突いたお兄ちゃんがゆきえを衝く。ベッド全体が揺れる。あたしはゆきえの乳首を摘む。すこしだけ強く、摘む。
「あーっ、恵未、あたし、あーだめ、きもちい……い」
「ゆきえ、きもちいい? そんなに、きもちいい?」
「きもぢ、いいよおっおっあっあっあっ、くふ…恵未ぃ、あっあっあっ」
 ゆきえは普段みせない緩んだ表情で、あたしの髪の毛に指をからめながら、お兄ちゃんに衝かれて甘い声を漏らす。ゆきえはセックスのとき、あたしとセックスしているように、あたしの名前を呼ぶ。お兄ちゃんよりも、あたしとキスをしたがる。奥二重の瞳が涙に潤んで、声がでなくなって、あたしと唇を重ねたまま、えみ、すごいよ、と囁く。
 お兄ちゃんがテレビのリモコンを取る。つける。お母さんが普段みないテレビをあたしたちの部屋に移動してくれた。お母さんはあたしがお兄ちゃんの部屋で生活することを咎めない。今日は朝から出かけていない。明日まで帰ってこない。お兄ちゃんはゆきえから引き抜いて、今度はあたしに入れる。さっきも注がれた精液がぶくぶくと泡を吹いて溢れ出して、濡れたベッドをますます濡らす。お兄ちゃんがゆっくり動き出す。
『……の蛍ヶ浦自治会長片山満さん六十八歳が自宅で絞殺された事件で、県警栄生署捜査本部は今月六日、殺人容疑で、同町製材所所長三島宗二を指名手配しました。容疑者は先月十日ごろ、片山さん宅で、片山さんの首にビニール紐を巻き付け、自殺に見せかけて殺害した疑いがもたれています。捜査本部によると、二人は古くからの友人で、片山さんの携帯電話の履歴から三島容疑者が浮上。片山さんの着衣からも同容疑者のDNAが検出されていました。県警は昨夜より町内各所に検問を張り、同容疑者の行方を追っています』
「あーこれ朝もみたよ」
 ゆきえがテレビで流れるニュースをみて言う。あたしは頭を仰け反らせてテレビをみる。お兄ちゃんがあたしの奥を衝く。快感が脳に響いてくる。天地が逆さまになった液晶テレビの画面に、製材所のおじさんの写真が映る。
「殺人事件なんて、怖いね……」とゆきえ。
「あの、おじさん、だね」
「うん、うちら、よくお菓子もらってたね」
 そう言って、ゆきえはあたしの乳首を吸う。左の乳首を吸って、右の乳首を指で摘む。すっかり敏感になったあたしは、肩とか太股とかいろんなところが勝手にぴくぴく痙攣して、ゆきえの細い肩にしがみついて、ゆきえの髪の毛があたしの胸をひんやりと撫でて、ちゅぽちゅぽちゃぷちゃぷ、恥ずかしい音を聴きながら、恥ずかしい声を漏らして、マンションの廊下に声が漏れそうで、なのに智之お兄ちゃんはあたしをしゃくりあげるように衝きあげて、こんどはうえから衝きおろして、腰を左右に振って、先端があたしの奥を左右からこりこり刺激して、お兄ちゃんは腰を回転させてあたしの胎内をぐるぐるぐちゃぐちゃにかきまわして、腸の位置がかわってなにかに引っかかったみたいにへんな感触に悶えていると、お兄ちゃんはあたしの子宮の入り口を狙い澄ましてまっすぐゴツンゴツンと衝いて衝いて衝きまくって、もうだめ、きもちよすぎ、いきがとまる、しんじゃう、とおもった瞬間、お兄ちゃんがあたしの奥に先端をおしつけたまま勢いよく噴射して、いままで感じたことがないくらいすごい衝撃がずしんと響いて、脊髄を伝って全身に拡がって、汗とかセックスの体液とかでびしょ濡れで卑猥に絡み合ったゆきえとお兄ちゃんがキラキラ輝いてとても美しくて、なにもかもがスローモーションの世界で仕合わせなあたしは浮かぶ浮かぶ眠くなる眠くなるおちるおちる。
 恵未、恵未……。
「大丈夫?」
 眼をひらくと、ゆきえとお兄ちゃんがあたしを左右からのぞき込む。
「あたし、一瞬おちた」
「大丈夫? 恵未、しばらく返事しなかったよ」
 そう言って、お兄ちゃんがあたしの前髪をかきわける。汗で額にへばりつく。
「ごめん、きもちよすぎて、寝ちゃった」とあたしが言う。
「それって、失神じゃない?」とお兄ちゃんが言う。
「違うよ、すっごい眠くなったの」
「失神だよ、それ」
「ええーっ」
「そんなにきもちよかったんだ」
「うん、ヤバかった」
 ゆきえがあたしを乗り越えて、お兄ちゃんを咥える。びしょ濡れのおちんちんを愛撫する、ちゅっかちゅっか、という濡れたおとをきいて、あたしも慌てて起き上がって、ゆきえと一緒にお兄ちゃんを奪い合う。交代で咥える。飲み込む。左右を半分こにして、ハーモニカを吹くように顔を左右に振る。お兄ちゃんの先っぽを挟んで、ゆきえとキスをする。お兄ちゃんは緩みきった表情で、あたしたちの頭を撫でる。女の子みたいな声であえいで、腰を自然と上下させる。
「ウぴ、お盆のお墓参り終わっぱら、まら泊まりに来れいい?」
 ゆきえが唇をつけたまま訊く。あたしも唇をつけたまま答える。
「いいよ。れも、なんかいも泊まって、らいじょうぶ?」
「んふ、んむ、らいじょうぶ……」
 お兄ちゃんのおちんちんを挟んであたしたちが喋るのをきいて、お兄ちゃんはくすくす嗤う。あたしはお兄ちゃんの陰嚢をもみくちゃにする。ゆきえはお兄ちゃんのお尻に指を突き刺す。お兄ちゃんは急に硬直して、卑猥な声で鳴く。
 びゅっ、びゅうっ、びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ。
 あたしとゆきえに挟まれたまま、お兄ちゃんは火山のように精液を噴き上げる。あたしやゆきえが感じる絶頂よりも、お兄ちゃんの射精は短いけれど、射精はちいさな花火大会のようで好き。一斉にたくさん打ち上げて、キラキラとたくさんの大輪が輝いて、あっというまに終わる。あたしは余韻に浸るお兄ちゃんを跨いで、痙攣の収まらない巨根をゆっくり胎内に沈める。休憩なんか許さない。

 夕方、ゆきえが帰宅した後、あたしたちはシャワーを浴びて、裸のまま、またお部屋に引き籠もる。
「お手紙、届いてたの」
 あたしはお兄ちゃんに手紙を渡す。お兄ちゃんはタオルを肩にかけたまま、手紙を受け取る。じっと読む。多田奈津実からの手紙。あたしはしばらく隠していたけど、自分が悪いおんなになりそうな気がしていた。
 それは、送り主の住所が書かれていない手紙。多田奈津実という氏名だけ。奈津実は念願の劇団寄宿舎に戻って、まいにちお芝居の稽古に励んでいて、仲の良い友達ができて、今度、ちいさな舞台をやるという他愛のない内容。封筒にはチケットが三枚入っていた。
「恵未、お芝居、みにいく?」
 お兄ちゃんが訊く。あたしはお兄ちゃんの太股を跨いで、抱き合う。散々、ピストンして赤くなった割れ目をお兄ちゃんのおちんちんにおしつける。シャワーを浴びたばかりなのに、もう濡れている。キスをする。
「お兄ちゃんと一緒なら、どこでもいく」
「じゃあ、ぼくはいつも恵未と一緒にいるよ」
「ずっと一緒?」
「ずっと一緒だよ」
 あたしは腰を浮かして、片手でお兄ちゃんを割れ目に導く。腰を沈めて、つるりとお兄ちゃんを包み込む。熱くて、硬くて、太くて、長くて、きもちいいお兄ちゃんのお肉。
「多田奈津実って、百瀬さん?」
 あたしはじぶんの猜疑を口にする。言った瞬間、すこし後悔する。
「そうだよ」
「いまでも、会っているの?」
「ううん。奈津実が会いたくないって」
「そっか」
「奈津実は、早苗叔母さんと知り合いみたい。お芝居やってるから」
「失踪事件って、解決してないよね?」
「うん、でも、解決しなくていいんだよ」
「どうして?」
「真相が暴かれると、ぼくたちが困るんだ」
「こまるの?」
「恵未と一緒にいられなくなっちゃう」
「そんなのヤダ」
「じゃあ、ぼくたちは口を噤んで、黙っていよう」
「うん」
 お兄ちゃんがリズムを刻む。仰向けになる。あたしはお兄ちゃんに覆い被さって、前後に揺れる。お兄ちゃんとキスをする。舌を絡めて、セックスのリズムにあわせて、お兄ちゃんの唇に出し入れする。そのまま、お兄ちゃんすきよ、恵未あいしてるよ、きもちいいよ、と囁きあう。恋愛という理想と、セックスという現実。からだのなかで一番薄い粘膜どうしがこれ以上ないくらい密着しているのに、その快感はあたしたちの境界線を際だたせて、あたしとお兄ちゃんは永遠にひとつに溶け合うことができないことを自明にする。お兄ちゃんが子宮を衝きあげるたびに、あたしは切なくて、あまいあまい声を響かせる。じぶんの声の卑猥さに鳥肌がたつ。
「おっ、おに…ちゃ、イク、あたし、イっイっあっあっあっ」
「イって、恵未、イっていいよ」
「お兄ちゃんも、イって、出して、なかに、いっぱ…」
 お兄ちゃんは腰を高くつきあげて、びっくりするほど大量に射精する。あたしたちの股間が精液をきらきらと噴射して、シーツと絨毯にまきちらす。お兄ちゃんはかわいそうなくらいひどく痙攣して、全身が跳ねて、白目をむいて、力を失う。もう少しだったのに、またイけなかったから、あたしはお兄ちゃんにしがみついて離さない。お兄ちゃんは横向きに転がって、あたしと上下を入れ替わる。キスをする。お兄ちゃんの腰に両脚をまきつけて、ぎゅっとひきつける。胎内のお兄ちゃんを、ぎゅっと締めあげる。
「これ、あたしの。誰にもあげないの」
「恵未の専用にする?」
「うん、二人でイけるようになったらね」
「じゃあ、今日はいっぱいしようか」
「うん、いっぱいしよう」
 お兄ちゃんがあたしを衝きおろす。ベッドがゆらゆら揺れて、壁にかかった写真も揺れる。お母さんと、あたしと、お兄ちゃんで撮った写真。あたしもお兄ちゃんもお澄ましして、お母さんだけが微笑んでいる。塞ぎ込んでいたお母さんに笑顔が戻ったのは、お兄ちゃんのおかげ。その写真を仰ぎ見ていると、お兄ちゃんがキスをする。唇を重ねたまま、あたしはあまい声をあげる。お兄ちゃんはあたしを抱き起こして、ベッドに座り込んで、あたしを衝きあげる。あたしのすきなかたち。
 つけっぱなしのテレビから静かな曲が流れる。真夏日の光の下で、和傘をさしたおんなが木漏れ日の道を歩き、ウッドベースとピアノの旋律に手風琴がふわりと重なり、どうやらそれは古い映画のようで、歩みをとめたおんなが表情もなく川の流れるのを眺め、ふとあたしに振り返って意味深に微笑んで、あたしはおんなと見つめ合ったまま、汗びっしょりのお兄ちゃんの肩にしがみついて、なにも考えずにゆさゆさ揺れる。
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