R18恋愛官能小説 青山倉庫

快楽コサイン

第15話「ゆきえのこと」


 市民体育館の二階席の手摺にもたれて、卓球場を眺める。
「あぁっ、んっんっんっ」
 お兄ちゃんがにゅるりと這入ってくる。下唇を噛んで声をこらえるけど、甘えた鼻声が漏れてしまう。卓球を楽しんでいる子たちは、あたしたちに気づかない。あたしは手摺を掴んで、お尻を突きだして、智之お兄ちゃんに衝かれるまま、前後に揺れる。ゆきえが足下にしゃがみこんで、あたしたちのつながっているところを見あげる。ときどき指先で触れる。あたしの肉芽をつまんで震わせる。携帯で写真を撮る。カシャッ。大きなシャッター音が響いて、見学している子数人があたしたちを見あげる。お兄ちゃんがあたしに覆い被さって、卓球台を指さして、耳元で囁く。
「恵未、きもちいい?」
「きもちいいよ……」
「なにがきもちいいか、あの卓球台を指さして、詳しく説明して」
「なんで卓球台を指さすの?」
「見学者にみえるでしょ」
「ウフフ、そうだ…ねっ…あっふっんっんっんっ」
 お兄ちゃんはあたしの背中に密着したまま、小刻みにあたしを衝きあげる。先っぽがすごい振動を伝えてきて、卓球をみながらいちゃついてるあたしたちに好奇心をそそられた子たちにみられながら、どんどん溢れるおつゆが太股を伝って、振動が脳に達して、仕合わせが溢れ出す。あたしはお兄ちゃんに手首を掴まれて、卓球台を指さす。
「ほら、説明して。なにが、どうなって、きもちいいの?」
「お兄ちゃんの、あっあっあっアソコが、いっ…一番、奥に、あっ、あたっ…て」
「あそこ、っていわないの」
「ちんぽ」
「そう、ちんぽ」
「お兄ちゃんの、ちんぽ、あ、あたし、の……」
 肩に回したお兄ちゃんの手が、あたしのワンピースの襟口から滑り込んで、あたしの胸を片手で触る。お兄ちゃんの手はあたしより大きくて、片手で両方の乳首を刺激する。もう片方の手が裾から這入って、指先が割れ目を拡げて、陰核をつまみ出す。あたしは、奥と、お豆と、ふたつの乳首、四カ所を同時に刺激されて声も出せなくて、卓球台をさした指を曲げて唇にあてて、異変に気づいた数人の視線を感じて、お兄ちゃんに衝かれるままガクガク震えて、からだじゅうの血が沸騰しそう。恥ずかしいけど、きもちよすぎて、どうしようもない。ゆきえはあたしたちの脚のあいだに携帯を差し込んで、写真を撮る。真下から、急に声が聞こえる。
「恵未ちゃーん」
 女の子二人の声。見おろすと、ほんの数メートル下でクラスメートの真美と詩織が手を振る。あたしも手をふる。冷や汗が溢れる。お兄ちゃんは襟口に差し込んだ腕を抜いてくれないし、乳首やお豆を刺激するのをやめてくれないけど、奥を衝くのは小刻みになる。振り返す腕がぶるぶる震える。
「恵未ちゃん、きょう、ゆきえは?」
 しゃがんでいたゆきえが立ち上がる。手を振る。
「あたしここだよー」
「そのひとだれー?」
「恵未のイトコのお兄さん」
 あたしのかわりにゆきえが答えてくれる。真美と詩織はなにか小声で喋る。真美が嗤う。詩織が言う。
「恵未ちゃん、宿題、やった?」
「まだ、やってないよ」
 明るく答えたつもりだけど、声が震える。お兄ちゃんの振動は止まらない。あたしがときどき、びくん、と痙攣するたびに、二人はなにか囁きあう。
「恵未ちゃんたち、お昼、食べた?」
「まだ、食べて、ない、よ」
「一緒に食べない? 外にホットドッグ売りにきてるよ」
「ホット…、うふぁ、あたし、まだ、お腹すいてなっいっいっんっ」
「恵未、大丈夫?」
「うっん、だいじょう…ふっ、はぁはぁ」
 あたしはお兄ちゃんの腰を片手でおしかえす。お兄ちゃんの力にはかなわない。ますます振動が激しくなって、あたしの口から、あ、あ、あ、あ、あ、と情けない声が漏れる。子宮の形が変わってしまうくらい滅多衝き。
「恵未、なにしてるの?」
 ビュッ、ビュクッ、ビュクッ、ビュクッ。
 勢いよく胎内に噴射されて、答えられない。恥ずかしくて、汗がこめかみを流れて、眼を閉じて、お兄ちゃんの痙攣のせいであたしも突然絶頂する。ゆきえがかわりに答える。卓球観戦してるの。お兄ちゃんの精液が溢れて、あたしの太股を伝う。床にポタポタ滴る。お尻の筋肉がヒクヒクなって、とまらない。恥ずかしくて、目を開けられない。
「ウチら、外のキャンプ場にいくね。じゃあね」
 目を開くと、真美と詩織が手を振る。ゆきえも手を振る。お兄ちゃんがあたしの手首を掴んで手を振る。きもちよすぎて、涙がにじむ。お兄ちゃんがつるりと抜ける。あたしは全身の力が抜けて、そのまま精液の水たまりができた床にべちゃりと座り込む。

 町から外れて二駅先に、古びた劇場がある。
 蛍ヶ浦ニュータウンもこの劇場もバブル期に建てられたもので、趣味が悪くて無駄に広くてセキュリティもかかっていなくて、いつ閉鎖されてもおかしくない。あたしとゆきえは春休みにこの劇場にミュージカルを観にきて、壁の一部にしかみえない扉が外廊下とつながっていることを発見した。そこはいつも鍵がかかっていなくて、こっそり忍び込むことができる。あたしたちは、その扉から中に侵入して、一番使われていない一人芝居向けの地下ホールに忍び込む。照明を一つだけつけて、舞台の縁に腰掛けて、お兄ちゃんが早起きして作ってくれたサンドイッチを食べる。お兄ちゃんは短パンにTシャツ、ゆきえもあたしも肩の出た短いワンピース、あたしたちは太股を並べあう。智之お兄ちゃんは、男の子なのに脚が綺麗。
「トモくん、お弁当とか自分でつくれるんだね」
 ゆきえがサンドイッチをほおばりながら言う。お兄ちゃんは水筒のお茶を飲む。
「ぼく、お父さんしかいないから、お料理は得意だよ」
「お父さんって、死んじゃったの?」
「わかんない。でも川に落ちて、みつかってないから、たぶん……」
「かわいそう…」
「ぼくは、早苗叔母さんによくしてもらえるし、恵未っていう妹もできたから」
「あはは、妹になったんだ。やばーい、妹とセックスしてるんだー」
「うん、きもちいいよ。相性が、いいんだね、きっと」
 そう言って、お兄ちゃんはあたしをみつめる。手を握る。キスをする。お兄ちゃんの手があたしの太股を滑って、ワンピースの中へ這入って、まだ濡れている割れ目に指先がつぷりと沈む。震わせる。あたしは唇を離して、息を荒くする。ゆきえがお兄ちゃんの短パンのボタンを外して、硬くなったままのアソコを引きずり出す。いちど興奮すると、お兄ちゃんはなかなか元に戻らない。ゆきえはお兄ちゃんを咥えて、ゆっくりと飲み込んでしまう。あたしがするよりも上手に、お兄ちゃんを愛撫する。
 あたしがお兄ちゃんとのセックスで初めてイったのは、ゆきえの目の前だった。家に帰ってなんどもセックスしたけど、あの興奮は再現できなくて、なんどもなんどもしたけど、その寸前までしか達しない。あたしはもう一度、ゆきえの前でお兄ちゃんとセックスしてみたら、驚くほど簡単に絶頂した。ゆきえがそばにいないとイかない。今日体育館の二階席でつながって、あたしは誰かにみられていないと興奮しないのかもしれないと感じたけれど、それはまだわからない。あたしはゆきえにみてもらう代わりに、ゆきえがお兄ちゃんを求めてもなにも言わない。そんな約束を交わした。だけど、ゆきえはくちでするだけで、お兄ちゃんとつながろうとはしない。誰よりもセックスの話題がすきなのに、ゆきえは臆病なのだ。
「じゅるるっ、んふ……。トモくんの、ちんぽ、恵未の味がする」
「どんな味?」とお兄ちゃんが訊く。
「苦いの。女の子の味」
 お兄ちゃんの中指が、あたしのなかに滑り込む。やさしく出し入れしながら、奥まで沈んでいく。恥骨の裏側をえぐって、上下に振動させる。ちゅっちゅっちゅっちゅっと濡れた音が、狭い一人芝居の舞台に響く。ひとにみられるための舞台のうえでそんな恥ずかしいことをしているという戦慄に震える。ゆきえが再びお兄ちゃんを飲み込んで、頭を上下させる。ゆきえはくちでしかしないから、あたしより上手だし、ちいさな唇でお兄ちゃんの太くて長いおちんちんをほとんど全部のみこんでしまって、ちゃっこちゃっこ、すごくイヤラシイ音をたてる。お兄ちゃんはきもちよさそうにか細い声を漏らして、あたしと唇をすりあわせ、ますます激しく愛撫する。
「ねぇ、おっ、お兄ちゃん……」
「なぁに?」
「ゆきえとセックスしたい?」
 お兄ちゃんは唇を離す。ゆきえも顔をあげる。お兄ちゃんはゆきえと眼をあわせずに、頬を朱くして「したいよ」とつぶやく。
「ゆきえ、まだ処女だから、お兄ちゃんからしてあげないと、ずっとこのままだよ。ゆきえ、飽きちゃうよ」
「していいの?」
「いいよ」
「でも恵未は、イヤじゃない?」
 厭にきまってる。ゆきえはあたしより女の子らしくてかわいくて、きっとセックスだって上手にきまってる。お兄ちゃんがゆきえのことをすきになってしまったら、しかし、あたしは果たして哀しいのだろうか。あたしは、ゆきえがそばにいてくれるだけでその種の切なさから解放されるような気がする。むしろ、あたしのゆきえがあたしから離れていく方が怖い。本当に? もしかすると、あたしは、二人とも欲しい? あたしは欲張りなおんな? 同性愛、近親相姦、それに乱交。あたしはあたしのすきなものを独り占めしたい。お兄ちゃんとセックスするだけじゃ飽き足らない。ゆきえとだってセックスしたい。
「恵未?」
 お兄ちゃんが首を傾げる。
「厭じゃないよ、してあげて」
 あたしがそう言うと、お兄ちゃんはゆきえを抱き起こして、膝にのせる。キスをしながら、胸を撫でる。あたしは二人の間にもぐりこんで、お兄ちゃんのおちんちんを咥える。ゆきえのように上手にできない。ぎこちなく上半身を上下させて、舌を絡めたり、唇をすぼめたり、吸い込んだり、いろいろやっているとお兄ちゃんの呼吸が荒くなってきて、お兄ちゃんはゆきえのワンピースを脱がす。ゆきえはお兄ちゃんのTシャツを脱がす。お兄ちゃんは自分で短パンを脱いで、舞台の下へ落とす。あたしもゆきえもお兄ちゃんも、三人で出かけるときは下着をつけない。
「ゆきえちゃん、仰向けになって」
 お兄ちゃんがそう言って、ゆきえを仰向けにする。あたしはお兄ちゃんからくちを離す。お兄ちゃんになにかされるまえに、あたしは自分でワンピースを脱いで、ゆきえに覆い被さる。ゆきえとキスをする。ゆきえの乳首を摘む。ゆきえもあたしの乳首を摘む。股間を見下ろすと、ゆきえが両脚を拡げて、濡れた花片を愛撫しているお兄ちゃんと眼があう。あたしたちは靴を履いただけの真っ裸で、複雑な格好で絡み合って、こんなところひとにみられたら恥ずかしくてしんでしまう。
「恵未、こわいよ……」
 ゆきえが呟く。ダブルポニーにした髪の毛が白い舞台の床に散らばって、あたしにすがるようなまなざしで、あたしの乳首をもてあそんで、お兄ちゃんの愛撫の音が響くたびに、敏感にぴくぴく反応する。あたしがキスをしようとすると、ゆきえはウットリした表情で目をとじる。唇をさしだす。あたしはゆきえの頬を両手で包んで、優しく唇を重ねる。お兄ちゃんのようなぷにぷにした感触と違って、薄くて瑞々しくて、あたしの唇に吸いつこうと力強くうごめく。
「こわくないよ、大丈夫だよ」
 あたしは唇の先を触れあわせたまま、ゆきえに囁く。あたし自身にも囁く。これから一線を越えてしまう。だけど、こわくない。大丈夫、だいじょうぶ、だいじょぶ。
「ゆきえちゃん、いれるよ」
 お兄ちゃんが言う。ゆきえに体重をかける。ゆきえは唇を噛んで耐える。あたしはゆきえの肩に腕をまわして、しっかり抱きしめる。ゆきえもあたしを抱きしめる。あたしの背中に爪を立てる。
「いやーっ、痛い!」
「ごめん、痛い?」
「痛いよ、抜いて、抜いて」
 お兄ちゃんがすこしからだを離す。ゆきえの眼に涙が滲む。あたしは振り返って言う。
「お兄ちゃん、あたしに挿れて」
「ゆきえちゃん、もうすこしなんだ」
「焦らないで、ゆっくりでいいの。あたしで濡らして」
 お兄ちゃんがあたしに這入ってくる。あたしの薄い膣腔が拡がって、お兄ちゃんの巨根を包み込んでしまう。子宮をどしんと衝かれて、あたしの卑猥な声がステージの壁に反響する。
「あっあっお兄ちゃ…、ゆっくっ…、ひっあっあっあっ」
 お兄ちゃんがあたしを滅多衝きにする。息ができないくらい激しく。ちゃぷちゃぷ、ちゅるちゅる、すごい音が響く。涙に濡れたゆきえがあたしと唇を重ねて、髪に指を絡める。まるでゆきえとセックスしているみたい。お兄ちゃんがつるりと抜ける。
「ゆきえ、力を抜いて……」
 あたしはゆきえの耳元で囁く。お兄ちゃんが再び体重をかける。ゆきえは眉間にしわを寄せて、必死で堪える。ゆきえはからだを反って、お兄ちゃんが這入った瞬間がわかるくらいはっきり痙攣する。

「ゆきえちゃん、まだ?」
 お兄ちゃんが訊く。あたしはお手洗いをのぞき込む。まだ出てこない。劇場のお手洗いは綺麗だけど、一カ所しかなくて、以前来たときも長蛇の列ができていた。お兄ちゃんは入り口のパンフレット置き場で、舞台のチラシを見て回る。お芝居のチラシはデザインがかっこいい。ゆきえが個室を出て、手を洗う音。しばらくして、ゆきえがお手洗いから出てくる。
「ゆきえ、大丈夫?」
「うん、大変なの。すごいいっぱい出てきた」
「ごめんね、びっくりした?」
「うん、体育館でもいっぱいしたのに、まだあんなに出るんだね。トモくんってすごいね…」
「まだ痛い?」
「ううん、全然。ちゃんと奥まで這入ったら、なんともなかった」
「そうなんだ、あたしのときは、めちゃくちゃ痛かったよ」
 そう言って、お兄ちゃんを振り返る。お兄ちゃんは一枚のチラシをじっとみている。チラシを折りたたんで、鞄に入れる。ゆきえはあたしの腕に抱きついて、もっとどこかでしようよ、と囁く。
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