R18恋愛官能小説 青山倉庫

人形地獄

第28話「キラキラ墓標」


 キラキラしてるでしょ。
 綺麗でしょ。
 じっとみて、じーっとみて。
 きらきら、きらきら、きらきら、きらきら。
 ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐いて。
 ゆっくり吸って、ゆっくり吐いて。
 きらきら、きらきら、ゆらゆら、ゆらゆら。
 光がおおきくなってきた、手足がだんだん痺れてくる。
 光がからだに染みこんでくる。暖かい、暖かい。
 光がだんだんのぼってくる。
 きもちよくなる、きもちよくなる。
 手足がきもちいい、首筋もきもちいい、頭がぼんやり、瞼が重い。
 光が胸に集まってくる。光が乳首に集まってくる。
 きもちいい、きもちいい。
 乳首が敏感になる、乳首しか感じなくなる。
 乳首がきもちいい、乳首がきもちいい。
 光がお腹に下りていく。ゆっくり、ゆっくり。
 光がおまんこに集まってくる。
 おまんこが暖かい、おまんこがきもちいい。
 ほら、おまんこが濡れてきた。
 きもちいい、すごくきもちいい。
 頭が真っ白、ふわふわ、ふわふわ。
 きもちいいね、すごくきもちいいね。

 雅之さまのおちんぽをみて。
 おちんぽをおまんこに入れて欲しい。
 もっともっと、きもちよくなるんだよね。
 あなたの中に何回も出して欲しいよね。
 何回も、何回も、何回も、何回も、朝から晩まで。
 あなたはそのために生まれてきたの。
 あなたはおまんこでおちんぽを包むために生まれてきたの。
 あなたは雅之さまに何回も出してもらうために生まれてきたの。
 あなたはきもちよくなるために生まれてきたの。

 息を吸って、息を止めて、息を吐いて。

 あなたは雅之さまのおちんぽを包む。
 そして上下に揺れるのよ。
 きもちよくなって、我慢できなくなって、まっしろに。
 そして雅之さまをのみこんで。
 頭を上下に振る。
 きもちよくなって、我慢できなくなって、いっぱい飲んであげて。
 何度も何度も繰り返して。

 島へきて間もない少女、美月と詩織が交替でぼくの性器を喉の奥までのみこんで、何度も何度もあたまを上下に揺り動かすその脇で、歌子が擦れた声でささやきを続ける。
 大きなベッドのうえには、歌子と、歌子と共に島へ引き取られた六人の少女たちがひしめき、いろいろな体液に濡れる。佳美、真智子、涼子、美月、詩織、多恵。ぼくが珍しくこの六人の名前を覚えたのは、彼女らが女中の候補だとしったから。女中は売られることはない。あのひどい別れもやってこない。
 両脇でぼくのちくびを吸う真智子と多恵の髪の毛がさらさらと肌を撫で、佳美と涼子の二人が、美月と詩織の愛撫に参加して、四人の喉と舌と唇がぼくの巨根を潤す。猥褻な景色と卑猥な音。どうしてもぼくはそれに慣れることができず、心臓の鼓動は早くなり、ひどい焦燥に襲われ、しばらくはぐっと堪えるのだけれど、やがて力尽きて、天高く精を噴き上げる。
 その噴精の向こうで寝室の扉がひらき、あかい着物をきた優香理さんが、扇情的な衣服に身を包んだ朱美を伴ってはいってくる。朱美は肌の露出した衣装を着ても物怖じしなくなり、精を噴きちらすぼくの前で英国式のお辞儀をしてみせる。
「雅之さま、ご機嫌麗しゅう御座います。本日も妾のような未熟な娘を褥の供にお選びくださり、感謝のことばもありませんわ」
「朱美さん…」
「すごい量ですこと。ねぇ、雅之さま、朱美のぶんもとっておいて。今日も、朱美を悦ばせて…」
 朱美はベッドの縁に腰掛けて、ぼくに媚びた眼差しで囁きかける。島の少女たちは売り物の人形として、こういう台詞をぼくに向かって云わされる。それをきかされるたびに、ぼくは憂鬱なきもちになる。実次とそのことについて話し合うのは禁じられている。
「さあさ、朱美さんも、ご奉仕なさって…」
 歌子が朱美の腕をとる。朱美は太股の付け根までのタイツを履き、肩と鎖骨を覆う薄い生地が、背中のサスペンダアでタイツを引きあげる。乳首も股間も露出したその衣装は、今日初めて見た。
「雅之さま、失礼いたします」
 朱美は堅苦しくそう云って、ぼくにお尻を向けて覆い被さり、奉仕を続ける四人の愛撫に加わる。咥える。呑み込む。頭を上下に、なんどもなんども。ふと口を離して、ぼくに振り返って囁く。
「きもちいいですか? 苦しくありませんか?」
 濡れた唇から唾液が糸をひくそのキラキラを眺めてぼくは頷く。
 少女たちには枕当番というのがあって、毎日入れ替わりで十人前後が寝室を訪れる。人形屋敷には四百人が住まうわけだから、一晩愉しんだ相手を次に抱くまで一月半も待たなくちゃならない。だけど、ぼくは誰かを指名して寝室に連れてくることができるから、毎晩のように朱美を呼んでいるのに、朱美は他の少女たちと同じように、ぼくに決して心をひらかない。初めて朱美を抱いた浴槽での撮影、仕上がった写真には、精液に溺れかかった朱美の姿があって、その表情は今と違ってほんとうの悦びに満ちていた。ぼくは朱美を悦ばせたいのに、人形になった朱美はぼくを悦ばせることで一処懸命なのだ。
「優香理さん、新しい衣装ですね…」
 ぼくは朱美の服のことを口にする。優香理さんはベッド脇の椅子に腰掛けて、ぼくたちに穏やかな眼差しを注ぐ。
「気に入った? わたしが考えたのよ」
「不思議なカタチですね…。だけど、どうして、いつも…」
「いつも?」
「股間が、剥き出しなのですか?」
「裸でいるよりも恥ずかしい服でなければ、撮影には使えないのよ。おんなのからだを強調したり、いちばん恥ずかしい部分にみているひとの目線を誘うフォルムだとか、だれかの妄想を刺激することが、必要なのよ」
 ぼくは目の前に突き出された朱美のお尻を両手でつかむ。ゆっくりとしゃくるように動く。ぼくは親指で小さな陰唇を拡げて、ぱくりと割れた肉のはなびらをじっと観察する。触れてもいないのにじわりと潤み、ぼくを咥えたまま朱美は、うふん、うふん、と鼻声を漏らす。幼いからだのぼくにとって、幼いからだの朱美との一番のちがいは、グロテスクな美を備えたこのはなびら。おんなのはなびらはほんとうに不思議。
「優香理さんのに似てますね…、朱美の、これ」
「おまんこといいます」
「朱美のおまん…こ…」
「雅之とわたしの娘よ、悦ばせてあげて」
 ぼくは朱美のはなびらに唇を密着させて、舌をぐるぐるまわして、肉芽を掘りだし、膣口に挿し込んで、ぼくの巨根がいつもそうするように、ちゅるちゅると音をたてて出入りする。口を離すとキラキラが糸をひいて、ぼくの胸に垂れる。朱美はからだを起こしてぼくのほうに向きを変えて、茎を愛撫する四人の少女たちが交替でぼくを一呑みずつ濡らして、朱美の腰を引き寄せてぼくと接合させる。
 タッタ一晩だけの優香理さんとの想い出が、朱美の膣腔に包まれるたびに鮮やかに色づき、からだがバッと火照って指を噛み噛み涙がにじむ。十寸を呑み込んだまま、朱美は白痴のように教わったことばを囁く。
「雅之さまのおちんぽ、かったぁい、かったぁいわ、あうあっ、あっ、あっあっあっあっ」
 ぼくは朱美をめちゃくちゃに突きあげる。六人の少女がぼくのお腹と胸に散らかった体液を舐めに集まり、ぼくは両腕をのばしてとどく範囲の割れ目に指をすべり挿れる。歌子は朱美の背中にぴったりくっついて、一緒に揺れながらその耳元でまた呪文をささやく。そのささやきが少女たちに性愛の交歓を促して、童女をおんなに変えるのです。ぼくは終わりのない歓待に包まれながらも、ひどい孤独をかんじる。少女たちは快楽を愛し、たぶんぼくを愛してはいない。

「雅之、めずらしいものが見えますわ」
 四つん這いの七人の真ん中で、次々と短い結合を繰り返している最中、優香理さんがベッド脇の窓から外を指さす。
「どうしたのですか?」
「まぁ、ご覧なさいよ」
 ぼくは美月の穴から性器を引き抜き、小さなからだを転がして、窓際に寄る。仰向けの美月に突き挿す。ふたたび突く。突きながら窓の外をみる。曇り空、強い風に煽られた針葉樹がたわみ、しろい波がひろがってはちいさくたたまれる。
 寝室の窓から見下ろせる丘のうえにたつ小さな墓標の前、さくらと晃さんが並んで立ち、さくらは花を添える。そこには下野優子が眠っている。さくらの母親、晃さんの奥様。あの悲劇的な夜のことはぼんやりしてあまり覚えていないけれど、さくらと晃さんが二人きりでいる姿をみるのは初めてだ。晃さんは普段あまりぼくに会いに来ない。灰色の背広を着た晃さんと、ひらひらの白いワンピイスを着て赤いサンダルを履いたさくらの後ろ姿が、蒼い海原を背にはかなく浮かぶ。
「なにを、みているの、雅之さま、なにを、ご覧に、なっているの?」
 美月が濡れたてのひらで、濡れたぼくの頬を撫でる。
「さくらが、お父様と、お墓参りをしているのです」
「お墓が、みえるのですか?」
「ええ、さくらのお母様のお墓です」
「さくら様には、お父様が、いらっしゃるのね…。羨ましいわ、わたしには、雅之さまだけ…」
 そういって美月はぼくの乳首を指先でつまむ。
「お父様は、美月を、こんなに、きもちよくは、してくれませんよ」
「すくなくとも、愛して、貰えるわ」
「ぼくは、美月を愛していますよ」
「雅之さまは、わたしのからだを、愛して、いらっしゃるだけよ。わたしたちは、雅之さまの、都合のいい、有象無象のお人形さんに過ぎないわ」
「美月は、ぼくを、愛していないのですか?」
「わたしは、雅之さまの、からだを、愛していますわ。たんせいなお顔も、しろい肌も、やわらかな髪の毛も、きれいな指先も、かたちのよいお尻も、おんなのように、みえて、筋肉がいっぱいついた、お腹と、胸も、それに、それに…」
「それに…?」
「たくましい、ああっ、おちん…ぽっ、ふっ、あっ」
 美月のからだがぐうっと縮んで、ぼくの二の腕に爪を食い込ませ、全身でくしゃみをするように、ぶるん、ぶるん、と震える。美月が至福に浸るながいじかん、ぼくはじっと動かずに美月のからだを観察し、おちんぽの先端に子宮頚のヒクヒクをかんじる。おちんぽ、などという猥褻な言葉を少女たちに教え込んだのも、さくらだとおもいだす。そのさくらは、晃さんと一緒に並んで屋敷への道を戻る。ふたりともなにか喋っている。きこえない。後ろ手を組んで、腰を折って、晃さんをみあげる。ぼくの前では、さくらはそんなこどもらしい仕草をしない。
「はぁ、はぁ、雅之さまの、うつくしい、おちんぽが、いちばん愛おしいですわ…」
「うつくしいのですか?」
「うつくしいわ、長くて、太くて、適度に硬くて、不思議なカタチだけど、おんなのカラダにあった、きもちいいカタチなのね…、それが、うつくしいのです」
「お互い、からだ、だけなのですか…」
「それで、十分ですわ。こころが通じ合うなんて、幻想も甚だしいのよ。わたしたちと、雅之さまのあいだにあるのは、快楽と、想い出だけでいいじゃありません」
 ぼくは美月から抜き取って、隣で尻を突き出したままの詩織に突き挿す。ちいさな肉のはなびらが無残に開花し、めりめりつるりと深みに沈む。からだの底から湧き起こる律動にまかせ、詩織の狭い膣腔をちゅるちゅる滑り、ちいさな子宮をずしんずしんと響かせる。
 きっとこの瞬間も想い出になる。からだとことばで交わることは、相手をひどく傷つけることもできるけれど、悦ばせることもできるなら、ぼくは仕合わせなほうをえらぶ。そのさきにある自惚れとか欲望とか嫉妬とかさまざまが引き起こし得る不安は考えない、どうせ、なるようにしかならない。
「雅之、今夜からの夏休みは、蘭聖祭りというのを催します」
 優香理さんが云う。ぼくは首を捻る、お祭りですか?
「蘭聖島には夏祭りがありませんから。狭いながらも、ホオルでお料理と、お菓子と、バルコニイですこしだけ花火を愉しみますわ。毎年、夏休みはスタヂヲかホオルで三ヶ月間、乱交するだけなんですってね、それは娘たちが退屈でかわいそうだわ。だけど、雅之は、いつものように娘たちのお相手をお願いね」
 ぼくは優香理さんにしかみせないこどもっぽい笑顔で、はいっ、と元気よくこたえて、同時に、ぶちゅっ、とはっきりきこえるほど激しく射精して、詩織の胎内に大量の濁々を注入する。あふれた精が濡れたベッドをますます濡らし、ぼくは引き抜いてますます散らかし、濡れたベッドを這って濡れた朱美に到達し、仰向けにひっくりかえして精を噴きながらにゅるりとつながる。濡れた音を響かせて、汗だくでへとへとの朱美は声もでなくてただ上下にゆさゆさ。
 窓硝子にぽつぽつと雨粒の筋がひかれる。十字架の丘に視線を向けると、途端にざあっと大雨が降り出す。
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