R18恋愛官能小説 青山倉庫

びろうどカンヴァス

第16話「止まない雨」


 襦袢のうえで仰向けになった果凛は、ぼくに滅多突きにされて、激しくゆさゆさと上下に揺れる。
「ひっはっひっいっ、あっあっあっあぁ、いぃいぃ…なぉ…あっあっなぉあっ、すっ、すご…、くふぁっ」
「果凛…あ、あっあっはぁはぁふぅはぁ、かり…ん、きもち…いいぃあっあっぐっ」
 ことばにならない喘ぎを漏らし、激しく揺れるぼくらの両脇に、汗と精液に濡れた咲月とほとみがぐったりと横たわる。咲月の顔面は大量の精液にべっとりと濡れて、唇の脇から泡だらけの精液を垂れ流す。ぼくと果凛が揺れるのにあわせて、ほとみのお腹にぶちまけた精液の塊が、大きな泡と共にゆらゆらと揺れる。
 そんなぼくたちを、カンヴァスの前で全裸になった朱理が写生する。その右手にはまだ包帯が巻かれ、筆運びもたどたどしい。
「朱理さん、ぼくたちは、少し日焼け…したのです。はぁはぁ、あまり焼かない方が、いいですか?」
 朱理が優しく微笑む。絵筆を持った右手を口に当てて、言う。
「直央は、日焼けをしても、白いのですね」
「じゃあ、もっ、あっあっあっあっ、もっと、焼きます」
「いいえ、直央は、白い方が、美しいわ。果凛も、咲月も、ほとみも、日焼けをしてはだめよ」
 今日は三週間ぶりの写生。朱理がぼくたちの部屋を訪れたとき、写生の時に着る白い羽織一枚だったから、思い遣りの薄い姉妹たちもよろこんだ。朱理はいままでよりもずっとぼくたちに近い位置にカンヴァスを据え、手が届くところで絵筆を振るう。だから、朱理の脚や太股、画板の裏に、ぼくの体液が飛び散る。ぼくは久しぶりだったことも手伝って、ひどく興奮して、この屋敷へ引き取られてから三年の間でもっとも激しく情欲に狂った。姉妹たちがなんども絶頂してへとへとになっても、ぼくは休み無く娘たちを貪り、朱理にむかってこれ見よがしに股を拡げ、欲の赴くままにぺちゃぺちゃと腰をうちならす。
「あーっ、なお…、いくぅ、ああぁーっ、いくいくっ…いっちゃ…」
「かり…ん、ぼくも、はぁあっ」
 びゅううううっ、びゅくっびゅくっびゅくっ、ぶじゅるるっ。淫靡な音とともに、ぼくらの股間から大量の精液が噴き出す。飛び散る。襦袢を濡らす。ぼくも果凛もどうじに絶頂の痙攣にぶるぶる震える。朱理がぼくたちをみつめながら、溜息をもらす。
「あっ、朱理さ…、ぼくたちを、もっとよくみてくださ…」
「みてるわ。二人とも、とても美しいですよ」
「はぁはぁ、くふぅ…」
 ちゅるぼっ。
 ぼくは果凛から性器を抜き取り、果凛の腹のうえに精液をぶちまける。
 びゅっ、びゅっ、びゅっ。
 どんなに精力の強いおとこでも、これだけの量を放つことはないだろう。ぼくは、自分のからだのことが心配になる。繰り返し昇りつめてさえ、からだの奥底からわき上がる欲求に逆らうことはできない。
 ぼくは、となりでぐったりと横たわる咲月を仰向けにする。股をひろげる。先端をおしつけ、にゅるりと沈める。泡だらけの精液がぶりぶりと溢れ出す。
「はあぁぁっ、なぉお、あたし、あたし、も…、だっあっあっあっだっ…」
 首を横に振って、咲月は力なく抵抗する。ぼくは腰の回転を落として、訊く。
「いやなのですか?」
「わたし、壊れてしまいます…。これ以上は、あっあっあっ…かっ、堪忍して…」
 ぼくは咲月の精液で濡れた頬に舌を這わせる。唇を摺り合わせる。唾液と精液が糸をひく。呼吸が荒い。
 外で雨が降り始める。涼しい風が吹き込む。中庭の下草をぱらぱらと雨粒がうつ。障子のむこうで初音の声がする。失礼いたします。初音が部屋にはいる。新聞紙の束をかかえて、朱理の傍らに跪く。
「ぐっ…ひぃ」
 咲月のからだが痙攣する。未熟な膣が、ぎゅっぎゅっと引き締まる。ぼくは咲月から抜き取る。ほとみを俯せにして、後ろからやや乱暴に突き下ろす。尻を突きだしたほとみは、潰されたような悲鳴をあげる。
「やめ、あっ、ひっ、なお、やっあっあっあっ」
 朱理の筆がとまる。ぼくに言う。
「直央、無理はいけませんわ。ほとみは厭がってるではありませんか」
「でも、絵を…」
「今日はこのへんにしますわ」
「いいえ、ぼくはもっとしたいのです。もっと、朱理さんに、みてほしいのです」
「私もまだ本調子ではありませんから、明日にいたしましょう」
「みているだけでもいいのです。朱理さんに、みられたいのです」
 ぼくはからだを起こし、ほとみから離れる。抜けた性器から体液が滴る。両手を濡れた襦袢に突いて、ぼくは言う。
「初音、こっちへ」
 初音はぼくの傍へ近づいて、膝を突く。初音の黒いスカアトの裾から手を入れる。柔らかな綿の下着のうえから、滑らかな割れ目の起伏をなぞる。初音は敏感に反応する。
「朱理さん、ぼくと初音をみてください」
「直央、初音は女中ですよ。そのような奉仕は…」
 朱理は狼狽えた声を出す。初音はときどき痙攣を起こしながら、朱理を振り返る。
「いえ、朱理様、よいのです。これもわたくしの務めで御座います」
「初音…」
 初音はゆっくりたちあがって、服を脱ぐ。エプロンを外し、リボンを取り、黒いワンピースを脱ぎ、スカアトを脱ぐ。ぼくもたちあがって、初音のブラウスのボタンを外す。下着を脱がす。初音もはだかになる。ぼくは椅子のうえの新しい襦袢をとって、朱理の脇に拡げる。初音をそこへ横たえる。覆い被さる。唇をかさねる。舌を絡める。初音はぼくの濡れた性器を両手で握って、やさしく上下にしごく。ぼくは舌を絡めながら、囁く。
「緊張しないでください。力をぬいて、いつものように…」

 アトリエの座敷の隣で、三人の姉妹たちが薄い羽織を着流した格好で、菊子に紅茶を頂いている。
 仰向けのぼくのうえで、初音が上下に揺れる。股間をぺちゃぺちゃとうちならし、汗の飛沫が燭台の明かりにキラキラと輝く。午後から降り始めた雨脚は強くなり、菊子は雨戸を閉めて回る。強い風が吹いて、雨戸ががたがたと音を鳴らす。
「いつから、なのですか?」
 紅茶のカップを持った朱理が訊く。ぼくは初音の薄い乳房をなでまわしながら、こたえる。
「ふたつきほど前、甲斐さんがいなくなった頃からです。最初は、咲月に奉仕を強要されていただけで、ぼくは少し申し訳なくおもっていました」
「そう、奉仕なのですね」
「はぁはぁ、いいえ、朱理様、わたくしは、直央様を…」
 初音がつぶやく。ぼくは初音を引き寄せて、腰を浮かして激しく突き上げる。
「琴音が嫁いだ日、ぼくは、初音のことを、意識していることに、気づいたのです。想いは日に日に、つよく、切なく、やがて娘たちと、愛し合っているときでさえ、初音のことで、頭が…いっぱいに…、はぁぁっ」
 突き上げた股間から、精液がドバッと噴き出す。襦袢と畳に飛び散る。ぼくの尻と背中を流れ滴る。
「愛し合っているのですか?」
 朱理が訊く。
「はい」
 ぼくと初音は声を揃えてこたえる。ぼくの射精が終わる前に、初音の膣腔はヒクヒクと引き攣って絶頂する。朱理はカップに唇をつけて、静かに紅茶を飲む。両脚をぼくらの前に投げ出した全裸の朱理は、蝋燭とランプの仄暗い明かりに照らされて、普段よりもっと幼くみえる。
「嵐のようですね…」
 朱理が独り言のようにつぶやく。ぼくはからだを起こして、座った状態で初音を抱きしめる。お尻を掴んで、突き上げる。ずしんずしんと、初音の小さな子宮に振動をつたえる。そのたびに、初音の膣はぼくをぐいぐい締めつける。
「朱理さん、初音を描いてくれますか?」
 ぼくは訊く。朱理は曖昧に微笑む。
 風雨が雨戸を打つ。半分だけ開いた襖のむこうで、姉妹がお喋りをする。そとの世界から隔離されたぼくたちにとって、お互いがすべて。知り尽くしたあいだで興味をひくことなんて、あまりない。だから、娘たちの会話は、お天気のことや、読んだ本のことや、ときどき訪れる客のこと、そしてそれ以外のほとんどが、性的な話題。ぼくと同じで、なにか足りないモノを抱えていて、快楽でそれを埋め合わせようとしている。快楽を追求することに、躊躇いもなく、労を厭わない。
 朱理が椅子から降りて、ぼくの前で膝を突く。上下に揺れる初音の肩に触れる。
「初音はつらくありませんか?」
「いいえ、朱理様、しあわせです…」
「直央は、絵のために、多くの少女とからだをあわせることになるのですよ」
「いまは、あっあっ…、仕方、はぁはぁ…、ありませ…んわ」
 ぼくは後ろ手をついて、仰け反って初音を突き上げる。ぶちゃぶちゃ、べっちゃべっちゃ、卑猥な音が暗い部屋に響き渡る。頭を起こす。朱理の画板を眺める。
 以前よりも更に精緻を極めた性愛の情景が、ベルベットの画布のうえに、より扇情的に描き尽くされる。玲庵先生や、以前の朱理だったら、ここまで描くのに数週間を要していた。まだ包帯に包まれた右手で、朱理は絵の具が乾ききる前にそれを完成させようとしている。絵の技巧がわからないぼくにも、それが難しいことくらいわかる。性器のつながりが露骨に表現された構図は、とてもエロティックだけど、不思議と淫靡な陰を潜め、うつくしいものへと昇華しつつある。現実に眺めている光景とは、決定的に何かが違う。
「なっ、直央…あっあっあっひっ、わたし…あーっ、あーあーあーっ」
 初音はまた絶頂する。膣の前壁が引き攣って、ぼくは初音に締めつけられて、たまらず射精する。大量の精液が溢れて、あぐらをかいたぼくの両脚を濡らす。朝から何度も何度も大量に射精したせいで、いつも感じている下腹部の圧迫感が軽い。
「わかりました、描きましょう。だけど、娘たちとは別に、二人きりで愛し合っているところを、描きたいわ」
 朱理が言う。ぼくは初音を抱きしめたまま、仰向けになる。まだ痙攣がとまらず、初音の胎内にびゅっくびゅっくと精液を送り続ける。ぬるい体液が、大量の泡をともなって、股間を流れ落ちる感触。
「それとも、乱交してるほうがいいかしら?」
「朱理様の望むままに…」
 初音がそうこたえると、朱理はぼくらの股間に手を滑らせる。濡れた結合をなぞる。ぼくらのからだを指先で愛でる。ぼくらのからだの輪郭を絵筆でなぞるように、その曲線を確かめる。
 廊下の向こうで電話が鳴る。遠くで雷が落ちる。ほとみの笑い声がきこえる。
「手が痛いわ…。わたくしは部屋に戻ります。直央、明日も同じ時間に。午前は姉妹と、午後は初音と、愛し合うのですよ」
「わかりました」
 ぼくは夢うつつのままこたえる。初音はぼくの肩に爪を食い込ませる。
 朱理は筆洗油に浸した絵筆を手に取る。『帝國・遂に米英へ宣戦布告』の見出しがついた夕刊を破いて、絵筆の油を拭き取る。着物を羽織って、座敷を出る。
 初音が唇をおしつける。ぼくはその柔らかい唇に軽く歯をたてる。唇どうしを滑らせる。そのまま囁く。
「初音…、このまま、つながっていてください」
「はい、いつまでも、直央様の望む限り…」
 ぼくは再び初音を突き始めて、初音は甘い声をあげて、隣の部屋から姉妹の笑い声がきこえて、びしょ濡れの股間が卑猥なおとをたてて、菊子が初音の代わりに片付けにきてくれて、柔らかなタヲルでぼくたちの汗を拭ってくれて、ぼくはまた射精して、初音もまた絶頂して、ぼくは抜かずにからだを入れ替えて、こんどはぼくが覆い被さって、初音をめちゃくちゃに突き下ろして、なんどもなんども突いて、また射精して、また絶頂して、そんなふうに繰り返し繰り返し、長時間、お互いのからだを貪りあう。
 夕方、ぼくらはへとへとになって、初音はぼくの肩に寄り添ったままぼんやりする。ぼくも天井をみあげて、ぼんやりする。満ち足りることもないけれど、こうしているあいだ、ぼくは全身を倦怠に苛まれて、すくなくとも不安に襲われることはない。初音も、同じように感じているに違いない。
 いっそ、きがくるって、しまえばいいのに。
 初音がつぶやく。ぼくはこたえない。雨はまだやまない。
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