R18恋愛官能小説 青山倉庫

びろうどカンヴァス

第7話「武留の置き手紙」


 一週間ぶりに勉強する。甲斐さんはいない。
 咲月にほとみが勉強を教えるのは変わっていないけど、ぼくに勉強を教えるのは果凛になった。蔵の脇にある板張りの倉庫に勉強部屋を変えた。そして、ぼくたちはほんとうの学校のように木の椅子に座り、机に教科書とノオトを拡げる。ぼくたちが勉強を怠けないように、初音が部屋の隅で見張る。その初音のみている目の前で、果凛はぼくの着物の前をかきわけ、口で奉仕を始めてしまう。近頃、はだかでいる時間の長いぼくたちは、着物の帯を締めなくなった。座っているぼくの巨根は着物から飛び出してしまう。果凛の行為はほとんど条件反射に近い。
「果凛様、いけませんわ。まだお勉強の時間ですよ」
 初音が果凛の背中にそっと手を置く。果凛は卑猥な音を響かせながら、頭を上下させる。ぼくは教科書の字面を読むけど、全然頭に入らない。
「果凛様…」
 初音が果凛の肩を抱きおこす。果凛はやっと口を離し、ぼんやりした眼差しでぼくの濡れた巨根を見つめる。右手で握って、上下にしごく。ちゅるちゅる、ちゅるちゅる。ぼくは腰を突き出してがくがく震える。
「わたしは悪くないわ。直央がいけないの、直央のこれがいけないのよ」
 そう言ってますます刺激する。ぼくは反射的に仰け反って、椅子からずり落ちそうになる。初音は果凛を背中から抱き、ぼくを刺激する手の動きをやめさせる。
「いけませんね、直央様には少し離れて勉強してもらいましょう」と初音が言う。
「いやよ、一緒でなくちゃ」
「寄り添っていては、勉強になりませんわ」
「じゃあ、初音。あなたが直央にしてあげて、あなたが直央に口でしてあげて」
「えっ」
「あなたがしないなら、わたしがするわ」
 そう言って、果凛は再びぼくを咥えようとする。初音が引きとどめる。
「わかりました、わたくしがご奉仕させて頂きますから、果凛様はお勉強に集中してくださいまし」
 初音はぼくの傍らに跪く。果凛がじっとみている。初音はぼくの太い肉の管に片手を添えて、裏側に唇と舌を這わせる。上下になぞる。ハーモニカを吹くように、横にした顔を振る。ぼくは初音の髪を指先でかき上げる。果凛のように直情で激しい愛撫ではなく、毎日ぼくたちを世話してくれるときと同じように、優しく丁寧に愛撫する。
「直央、初音はきもちいい?」
 果凛が袖をひいて尋ねる。ぼくは伏目のままちいさく頷く。やがて初音はぼくの先端を柔らかく包む。ぼくは溜息を漏らす。根元までにゅるりと飲み込まれてしまう。果凛と同じように、僅かに唇を開いたまま、扁桃腺でぼくを摩擦する。ぼくは唇を噛んで、声を堪える。教科書を眺める。涙がにじんで、文字も読めない。
 ぼくを愛撫する初音を眺めていた果凛は、やがて飽きてきて欠伸をひとつ漏らし、視線を教科書に戻す。襖一枚隔てたむこうがわの秘め事にひとは興味を惹かれるが、目の前の露骨な性はいくら過激であろうと、他人事である限り退屈なのだ。
「ふっ…くうううぅぅっ」
 噛んだ唇から情けない声が漏れる。初音の喉に何発も乱射する。その勢いと量に驚いて、初音の肩がピクンと跳ねる。溢れた精が、板張りの床にボタボタと滴る。果凛はもう関心を持たず、机に向かったまま。初音は喉を鳴らしてぼくの精を飲む。股間を丁寧に舐める。指先で、唇についた精液を拭う。舐める。
「初音さん…、すいません」
「ふふ…、直央様は簡単には満足されませんね」
 そう言って、勃ったままの肉に唇を押しつける。ぼくを見上げたまま、舌を這わせる。初音のこんな表情をみたのは初めてで、ぼくの鼓動はどんどんはやくなる。
「あの、甲斐さんって…、いないのですか?」
「あら、聞いてませんか」
「どうしたのですか?」
「先週、出て行かれたのですよ、ご存じなかったのですか?」
「ええ、しりません。もしかしたら、ぼくだけしらないのかも」
 初音は再びぼくを飲み込む。さっきよりも激しく上下する。大きな音をたてる。わざと音をたてる。ときどき上目遣いでぼくをみる。
「どうして、出て行ったのですか?」
 初音は口を離す。手でぼくを刺激しながら、答える。
「置き手紙がありました」
「手紙?」
「朱理様への想いを綴った手紙ですわ。わたくしは琴音と相談して、手紙が玲庵先生の目に触れる前に処分することにしたのです。朱理様には、口頭でお伝えしたのですよ」
「玲庵先生にみつかってはいけないのですか?」
「それはもう…。玲庵先生にとって、朱理様はとくべつなかたですから、あの手紙が見つかってしまえば、甲斐家は大変なことになりますわ」
「そうなんですね…」
 初音は愛撫を続ける。ぼくは初音の巧みにからだを震わせながら、教科書を読む。ノオトに蚯蚓が這ったような文字をかきつける。歯を食いしばって、声が出そうになるのを堪える。ぼくは初音の頭を撫でる。
「初音さんは、口でするのが、上手なのですね」
「毎日、果凛様たちがなさることを、みていますから」
「初音さんには、想う人はいないのですか?」
「ええ、いませんわ。どうして?」
「いえ、恋人がいたら、このようなことをしてもらうわけには…」
「構いませんわ。お気遣いなく…」
「初音さんは、平気なのですか?」
「平気?」
「ぼくのようなこどもに、このような…」
「直央様だから、平気なのですわ」
 初音は含み笑いをする。またぼくを飲み込む。すぐに口を離す。ぼくの耳元で囁く。
「ご安心ください、初音は処女です」

 その夜、ぼくは三人の娘たちにみつめられながら、初音を抱く。
「直央様、なお…、ああ…っ、ぅぐっ」
 初音のほそいからだに覆い被さって、ぼくはその肩を掴んだまま、ぐいと巨根をおしこむ。めりめり、ぶつり、と処女が裂ける。ゆっくりゆっくり沈めていく。初音は眉間にしわを寄せて、枕の縁をしっかりと掴む。
「初音、痛くありませんか?」
 ぼくは耳元で囁く。初音はぼくの二の腕を掴んで、首を横にふる。やがて恥骨どうしが密着する。初音の股間は、三人の娘たちによって剃刀があてられ、少女のようにふっくらとした割れ目がぼくの巨根をしっかりとくわえこむ。
「なお、なお…おっおっ、あっあっあっ」
「はぁはぁ、はつ…ね、あっあっ、きもちいい…」
 ぼくが動き始めると、初音は自分から腰を振る。ぼくの二の腕をしっかり掴んで、しおらしい声を漏らして、薄目をあけてぼくをみつめる。顎を突き出す。舌をつきだす。ぼくはつきだされた舌を唇で咥えて、じゅるじゅると音をたてて吸い立てる。お互いの乳首を指先で弾く。
 十畳の寝室には、ぼくと初音のためだけに布団が敷かれ、その上で卑猥に絡み合うぼくと初音の傍ら、三人の娘たちが寄り添いあって、ぼくたちを見守る。行燈の薄明かりに照らされたぼくたちの秘め事が障子に投影されると、上半身を起こしたぼくのからだが巨大に湾曲し、小さな初音が怪物に陵辱されているかのよう。
「初音、だいじょうぶ…ですか? 痛く…ないですか?」
「直央さま、ご心配…なさら…、あっあっあーっ、きもちい、ひっ」
「きもちいいのですか?」
「きもち…いいです、直央さま、たくまし…」
「初音はほんとうに素直ですね」
 ぼくに突かれて上下にゆさゆさと揺れる初音の乳房をみつめる。初音はしばらく経ってから、どうして?と訊く。ぼくは答えずに、初音の濡れた粘膜と充血した子宮頚を猛然と突く。からだを大きく波打たせる。ぼくの長い性器が、先端から根元まで隙間無く摩擦されるように、大きな振幅で往復する。ぼくたちの股間から、ぶちゃり、ぶちゃり、ちゅるぼっ、ちゅるぼっ、とすこし変わった音が、寝室の高い天井に反響する。
「初音は、近頃、琴音と仲がよくないのですか?」
 ぼくは気になっていたことを訊く。初音は首を横に振る。
「そんなこと…、あっ、はあっ、ありま…せんわ」
 ぼくは肘を突いて、小刻みな振動に切り替える。初音はか細い悲鳴をあげて、横を向いて指を噛む。
「むかしのように、琴音と喋っていないようですよ」
「あっあっあっ、そっ、それはっ…ふっあっあっ」
 ぼくは腰を密着させる。動きを緩める。
「はぁ、はぁ、琴音は、今、たいせつな時期なのです」
「たいせつ?」
「秘密ですわ」
「秘密ばかりですよ」
 ぼくは唇をとがらせる。初音はぼくの汗に濡れた頬に指を滑らせる。
「それでは、何かお話ししますわ。直央さまのしらないこと。何をお知りになりたい?」
 ぼくは少し考える。ぼくのしらないことはたくさんあるけれど、しりたいことは少ない。
「玲庵先生のことを、ぼくはほとんどしりません」
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